未利用野菜に新たな命を吹き込む「upvege」
日本に新たな風を吹き込むアップサイクルフードブランド「upvege(アップベジ)」が、未利用野菜を新たな食品として再生するプロジェクトを始動しました。とはいえ、ただのフードブランドにとどまらず、持続可能な食文化を目指しています。商品の裏には、環境問題を取り巻く深刻な現状があります。
日本の食品ロスとその背景
環境省のデータによると、2022年度の日本の食品ロスは472万トンにも達しています。その中でも事業系と家庭系がそれぞれ236万トンを占めており、未利用野菜はその一因となっています。一方、健康志向の高まりからサステナブルフード市場は急成長を続け、2030年には約2,976億円規模になると予想されています。こうした背景から、upvegeは未利用食品を「廃棄物」から「素材」として再定義する挑戦を始めました。
upvegeのブランドミッション
upvegeの使命は、未利用野菜に新たな命を吹き込み、未来の食文化とサプライチェーンを共に創り出すこと。ブランドは、高付加価値化、技術革新、共創モデル、新たな食文化の創出という4つの柱を元に進化しています。未利用素材を高品質な食品素材に変えることにより、廃棄されるべきだった農産物が、「おいしさ」と「希望」を生む循環型のフードサイクルが実現します。
特許技術で無限の可能性
upvegeの小さな革命は、東京農工大学やJA全農との共同研究を基に開発された「超高速乾燥粉末化プロセス」にあります。このプロセスでは、生野菜を最短5秒で粉末化し、色、香り、栄養素をほとんど損失せずに保持しています。この粉末は、ドレッシング、パン、スープといった多彩な食品に活用でき、まさに野菜の可能性を無限に広げる基盤となっています。
代表の熱い想い
株式会社グリーンエースの代表取締役、中村慎之祐さんは、「地域の農業を守りたい」という思いからこのプロジェクトを立ち上げました。「形や大きさが理由で市場に出せない野菜にも、命があります。その価値を技術で引き出して、捨てないものづくりを広めたい」と彼は語ります。
今後の展開
upvegeは今後、小売企業、外食企業、食品メーカー、さらに自治体と連携し、未利用野菜を使用した新しい商品を続々と発売予定です。また、地域循環型のアップサイクルモデルを構築し、「アップサイクル食品」を一般食品市場の主流に押し上げることを目指しています。
共創商品とその目的
upvegeが展開する商品には、野菜パウダー、調味料、ドレッシング、パンや麺など多岐にわたります。これらの商品は、安全で美味しく、環境にも配慮した新たな選択肢です。
「upvege」は、私たちにとっての新たな食文化の第一歩です。すべての食材には価値があります。この理念が、今後の食卓にどのような変化をもたらすのか、期待が高まります。