ジオテクノロジーズとJTBが開発した『トレポト』
2023年10月1日、ジオテクノロジーズ株式会社と株式会社JTBが共同開発した人流分析ツール『トレポト』が、持続可能な観光地域づくりを目的としてサービスを開始しました。このツールは、渋滞情報や人流を可視化する機能を持ち、観光地における混雑状況を把握することで、地方自治体や観光地域づくり法人に対して効果的なプロモーション戦略の立案を支援します。
観光需要の増加と課題への対応
近年、インバウンド需要が急激に回復し、2024年には訪日外国人が過去最多を記録する見込みです。このような成長には、地域経済の活性化が期待される一方で、観光地におけるオーバーツーリズムや交通渋滞といった課題も顕在化しています。ジオテクノロジーズとJTBは、そんな問題を解決に向けて連携し、両者の持つノウハウとデータを活用したアプローチを展開しています。
『トレポト』の特徴
『トレポト』は、約10秒ごとに人流データを取得し、徒歩、自転車、自動車などの移動手段による混雑状況を高精度で分析します。これにより、旅行者は渋滞を避けた最適な移動計画を立てやすくなります。また、このツールは過去の渋滞状況を視覚的に把握し、未来の渋滞の予測を行うことも可能であり、データに基づいた意思決定を行うための重要なサポートとなります。
交通問題への対応
観光地での渋滞は、来訪者の満足度を低下させる要因となり、地域住民の生活にも影響を与える深刻な問題です。『トレポト』を導入することにより、観光客の動きが分かりやすくなり、観光政策の改善や交通インフラの整備のための材料として活用されます。たとえば、イベント時の交通影響を評価することで、観光政策の立案や受け入れ体制の強化が実現できるでしょう。
具体的な活用例
JTBは、沖縄県で観光地への交通量を分析し、特急バス事業を展開するなど、観光客の移動をスムーズにするための対策を講じています。このような取り組みを通じて、観光客が混雑を避けながら楽しむことが可能になり、地域経済にもプラスの影響を及ぼすと期待されています。
今後の展望
ジオテクノロジーズとJTBは、『トレポト』の機能を更に充実させ、観光地の持続的な発展に貢献することを目指しています。データを基にした分析結果をもとに、地域ごとの特色に応じた観光政策の提案を行う予定です。
これからもますます重要になる観光分野のデジタル化において、『トレポト』が果たす役割は大きく、持続可能な観光地域づくりに向けた普及活動にも力を入れていく考えです。