グリーン水素発電システムが東京に登場!
東京の新たな商業施設「BLUE FRONT SHIBAURA」に、先進的なグリーン水素発電システム(G-HES)が導入されました。これは、野村不動産と東京大学が提携し、持続可能なエネルギー社会の実現を目指す一環として展開されています。
背景と目的
野村不動産株式会社は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するために、CO2削減が期待できる水素エネルギーに注目しています。日本のCO2排出量の約50%は都市の活動から生じており、これを改善することは国家全体の課題となっています。私たちの生活の中心である都市での低炭素化は、エコまち法によっても促進されています。
このプロジェクトでは、2021年から東京大学先端科学技術研究センターと連携し、持続可能な水素エネルギーシステムの開発を進めてきました。具体的には、太陽光発電から生成されたグリーン水素を利用した発電システムが構築されています。
本システムの機能と提供価値
新しく導入されたグリーン水素発電システムは、再生可能エネルギーを活用したエネルギー管理システムで構成されています。このシステムにより、都市部での地産地消型のエネルギー利用が実現し、災害時の強靭性を高める仕組みとなっています。具体的には、太陽光によって生成されたグリーン水素が、外構の照明や水景施設のポンプ、さらには共用コンセントにCO2フリーな電力を供給します。
このように、環境への配慮がなされたエネルギー供給を通じて、訪れる人々が水素エネルギーの価値を実感し、環境問題について考えるきっかけを提供することが狙いです。さらに、システムは完全自立型のため、停電時でも機能し、携帯電話の充電に活用されるなど、非常時でも頼れる存在です。
システムの仕様
G-HESは水素の生成、貯蔵、使用の3つの機能を持ち、最大の特徴は電力系統に頼らない、独立したエネルギーシステムであることです。9.6kWの水素製造装置や100Nm3の水素吸蔵合金タンク、5kWの燃料電池から成り立っていて、特に安全に水素を貯めることができる合金タンクが採用されています。これにより、都市部の限られた空間でも安全に水素エネルギーを利用できます。
本システムは、環境省が推進する再エネ由来水素活用事業にも採択されており、国の目指す脱炭素社会にも貢献しています。
未来への展望
野村不動産と日立製作所は、これからも都市部でのカーボンニュートラルの実現を目指し、最新の技術を用いたコンサルテーションやサービスを提供していく予定です。また、今後のプロジェクトを通じて、学術界と産業界の連携を深め、持続可能な街づくりへ取り組み続けます。
この全ての取り組みは、気候変動に対抗し、より良い未来を目指すために必要不可欠です。新しいエネルギーの利用が日常に根付くことで、水素社会の実現に向けた一歩となることでしょう。