文系大学生のプログラミングコンプレックスに関する調査結果
プログラミング教育が必修化された世代が社会に出る一方で、最後の世代である今の文系大学生が抱える「プログラミング・コンプレックス」の実態に迫る調査結果が、国際NGOプラン・インターナショナルによって発表されました。この調査は、文系大学生が感じているITスキル学習の心理的ハードルや、キャリアに対する懸念、さらには今後の学びたい意欲に焦点を当てています。
調査の背景と目的
小学校や中学校でのプログラミング教育が必修化されることが決まり、さらに2025年度からは大学入試においてもITスキルを評価する動きが進んでいます。その中で、現役文系大学生は義務教育課程でプログラミングが必修化されていなかった最後の世代として、教育課程の変化を実感しているといえます。
国際ICTガールズ・デーという機会を前に、プランはこの大学生を対象に調査を実施し、彼らの意識やキャリアへの影響を把握することを目的としていました。
『プログラミング・コンプレックス』の実態
調査によれば、文系大学生の71.8%がプログラミングのようなITスキルを学ぶことに心理的なハードルを感じていると答えています。これが「プログラミング・コンプレックス」と言われる現象です。特に、必修化された前の世代である彼らは、プログラミング教育を受けなかったため、置いていかれるのではないかという不安を抱えていることがわかりました。
さらに、将来の職場環境がデジタル化されることを心配している一方で、後輩たちに刺激を受けたいと感じる学生も多いことが明らかになったのです。アルファ世代(プログラミング必修化世代)の到来に対して、「自分たちが置いていかれそうで不安」と答えた学生は32.2%、そして「あの世代が羨ましい」と感じている学生は31.4%にのぼります。
キャリアへの影響に関する意識
プログラミング教育を受けてこなかったことが自分のキャリアに与える影響について聞いたところ、55.6%の学生が「影響がある」と回答しています。また、47.1%が「もし小中学校でプログラミング教育があったら、進路が変わっていた可能性がある」とも考えていることがわかります。これは、彼らが自らのキャリア選択に対し、ITスキルの習得が十分に重要であると感じていることを示すものです。
プログラミング学習への意欲
一方で、今からでもプログラミングやITスキルを学びたいと考えている文系大学生の割合は53.9%に達しています。多くの学生が、ITスキルを身につけることで職業選択肢が広がったり、高収入を狙える可能性があると前向きな意見を持っています。この調査結果を受けて、プログラミングを学ぶことが自身の未来に繋がるとの認識が強まっているのです。
56.9%の学生が、ITスキルの習得が就職先の幅を広げると考えており、キャリアにおいて高い期待を寄せています。実際、プログラミングを学ぶ手段は多く、オンライン講座やワークショップが増加しているため、学ぶ機会も増えていると言えます。
国際ICTガールズ・デーイベントについて
そのような背景の中、プランは2025年4月24日に、国際ICTガールズ・デーに合わせたイベント『ICTを味方につけて、私の未来をひらく』を開催します。このイベントでは、文系大学生に向けたプログラミングの重要性や、デジタル分野での挑戦を後押しする内容が計画されています。特に、女子学生が参加しやすいように設計されており、デジタルの世界での可能性を広げる意義が持たれています。
当日はゲストとして高山一実さんを迎え、特別トークセッションを通じて自身の経験を語ってもらう予定です。プログラミングワークショップも実施しており、学生たちが実際にICTに触れる貴重な機会となります。参加費は無料で、高校生から大学生まで幅広く応募が可能です。
このイベントを契機に、多くの学生がプログラミングの魅力に気づき、学ぶ意義を感じてもらえることを期待しています。これからの社会において、ITスキルはますます重要性が増すため、大学生たちが自らの将来を切り拓く手段となることでしょう。