住宅ローンに関する意識調査を通じて見えた金利動向と購入者心理
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S」が、10年以内に家を購入し住宅ローンを利用中の825名と、5年以内に住宅購入を考えている825名を対象に「住宅ローンに関する意識調査」を行いました。本記事では、この調査の結果から金利の動向や、購入者・購入検討者の意識について詳しく見ていきます。
1. 住宅ローンの選択肢とそのトレンド
調査結果によると、住宅購入者の約70%が「変動金利」を選択しているのに対し、購入検討者で「変動金利」を考えている割合は60%未満と大きな差が見受けられました。このことから、まだ購入に至っていない人たちが金利の上昇を強く懸念している様子が伺えます。
2. 世帯年収倍率の影響
世帯年収倍率に注目すると、検討者は「4倍未満」を選ぶ傾向にあるのに対し、購入者では「4倍以上」という回答が増加しています。特に、金利上昇の可能性が高まる中で、より低い倍率の選択をすることは、将来への不安を反映していると言えます。
3. 返済額の割合とその意識
住宅購入者の中では、世帯月収に対する住宅ローン返済額が「2割以上3割未満」という人が最も多く、3割以上の人たちの中には「もっと借入額を減らせばよかった」と考えている人も多いという実態が明らかになりました。これは住宅ローンを巡る不安が高まっている証拠です。
4. 購入検討者の意向
「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」との意向を持つ検討者は約50%に達し、この数字は前回調査よりも上昇しています。これは、金利の上昇に対する明白な懸念を示しています。特に、購入検討者は金利の影響を強く受ける世代であるため、この不安は如実に表れやすいです。
5. 今後の金利見通し
今後1年間の住宅ローン金利の見通しについては、購入者の約48%が「上昇」を予測しており、購入検討者では68%に上ります。この点からも、両者の間で今後の金利動向に対する考慮がいかに影響を及ぼすかがわかります。
6. 住宅ローンに対する不安感
住宅ローンを払いきれるかという点で購入者は67.8%、検討者は90%の人が不安を感じていると回答しました。特に検討者は、金利が上昇する可能性に対して明確な警戒感を抱いています。
7. 銀行選びの基準
購入検討者にとっての銀行選びでは、年齢層によって選ばれる基準が異なり、年配層は「金利の低さ」や「保障付き」などを重視するのに対し、若年層は「初期費用の低さ」や「ペア団信」といった項目が重視されています。このような選択基準の違いも、今後の金融市場の変動に大きく影響を与える要素となるでしょう。
8. 最終的な考察
市場全体が金利上昇に対して敏感に反応していることが、調査を通じて浮き彫りになりました。特に購入検討者の不安感は目を引くもので、すでに住宅を購入した人たちも金利上昇への対策を進めていくことが重要です。今後は、金融市場の動向をしっかりと把握し、適切なタイミングでの行動が求められるでしょう。これからの世代が安心して住まいを持てる社会が実現されることを願っています。
調査概要の詳細やLIFULL HOME'Sのサービスについては、公式ウェブサイトをご覧ください。