ホーチミン市交通大学での物流集中講義
2023年7月14日から22日にかけて、ベトナム・ホーチミン市の交通大学にて開催された物流集中講義が、ASEANにおける物流人材の育成に寄与しました。このプログラムは、国土交通省が主導し、公益財団法人SGH財団の協力で実施されました。参加したのは、同大学の学生220名であり、実践的な物流知識と技術を学ぶ貴重な機会となりました。
プログラムの背景
国土交通省は、2015年から日ASEAN交通連携の一環として、ベトナムの物流人材育成を推進しています。ASEAN地域において、物流は経済成長の鍵を握る分野であり、物流の効率化や標準化が求められています。そのため、現地の優秀な人材の育成が不可欠です。
講義内容と体験
集中講義では、日本の物流政策、コールドチェーン物流の国際標準化、物流マネジメントの基礎について学びました。特に、以下の内容が強調されました:
- - 日本の物流政策:コールドチェーン物流サービスの取り組み
- - 物流概論:SCM(サプライチェーンマネジメント)、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)、調達・生産・販売物流の流れ
- - 実践技術:5Sを意識した業務改善のテクニック
- - 施設見学:近代的な物流センターでのオペレーションを観察
- - ディスカッション:学生による新たな物流サービス提案
学生たちは、授業だけでなく、実際の物流施設を訪問することで、新たな視点を得る機会を持ちました。これにより、理論と実践を組み合わせた学びが促進されました。
未来の物流を担う人材へ
このプログラムは、ASEAN地域における物流マネジメントの課題に取り組む若手人材を育成することを目的としています。物流の現場は日々進化しており、環境配慮型の物流やデジタル化が進む中で、新しい技能を身につけることは不可欠です。
国土交通省は、今後も官民連携を通じた人材育成事業を継続していく方針です。この取り組みは、将来の物流業界を支えるリーダーを育てるための土台となるでしょう。
結び
ホーチミン市交通大学での物流集中講義は、学生たちにとって非常に意義深い経験となりました。今後、彼らが物流分野で活躍し、ベトナムの経済発展に寄与することを期待しています。この取り組みが持つ価値は、ASEAN地域全体に広がっていくことでしょう。