東京23区における賃貸物件動向 - 平成・昭和・令和築の特色とは
不動産業界のDXに取り組む株式会社いえらぶGROUPが、2023年と2024年にわたる東京23区の賃貸物件の市場動向を独自に分析しました。このデータは不動産業者間流通プラットフォーム「いえらぶBB」に基づいており、シングルタイプ物件やカップル・ファミリー向け物件の築年数別の動向に焦点を当てて紹介します。
シングルタイプ物件の動向
東京23区におけるシングルタイプ物件では、特に築6~10年の平成築物件が35.7%を占め、最も多くなっています。この築年数帯の物件は、最新の耐震基準や省エネ設計が施されており、居住者にとって魅力的な選択肢となっています。また、新築物件の供給が減少している影響もあり、人気が高まっていると考えられます。さらに、築11~15年の物件数の少なさは、過去の経済状況、特にリーマンショックの影響による新築供給の制限が影響している可能性があります。
渋谷区の昭和築物件
シングルタイプ物件において、築36年以上の昭和築では、渋谷区が14.4%と最多を誇っています。この地域は1964年の東京オリンピック開催に伴う大規模開発の影響を受け、築年数の長いマンションが数多く残っています。これに対し、令和築物件では新宿区が22.8%の割合を示し、非常に高い人気を誇っています。新宿駅周辺の再開発により、利便性の高い新築物件が多く提供されていることが追加の要因となっています。
カップル・ファミリー向け物件の需要
カップルやファミリー層向けの物件では、令和築物件の人気が急速に高まっています。具体的には、築1年以内の新築物件の割合がカップル向けで27.9%、ファミリー向けで31.2%に達しています。この高い割合は、特に子育て世帯をターゲットにした充実した設備や広いリビングスペースに起因しています。新築のファミリー向け物件は台東区、港区、世田谷区を中心に供給が増加しており、住みやすさとアクセスの良さを兼ね備えていることが家庭層に支持される要因となっています。
賃料の動向
賃料の動向も注目すべきポイントです。台東区の賃料は昨年に比べて93.4%と減少した一方で、港区は123.5%、世田谷区は115.5%の上昇を記録しています。これは新築物件の人気の高まりと、賃料の支持が続いていることを示しています。特にファミリー向け物件は共用スペースが充実しているため、家族全体で快適に暮らせる環境が整備されています。
まとめ
東京23区内の賃貸物件には、築年数や地域ごとの特色が色濃く反映されています。特にシングルタイプの物件においては、平成築物件の人気が高く、昭和築のアイコンでもある渋谷区が要注目エリアです。また、ファミリー向けにおいても新築物件の需要が急上昇しています。これらの動向を踏まえ、賃貸市場がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいですね。