リゾート地物件価格の変動と増加するニーズ
近年、リゾート地の物件価格が驚異的に上昇している背景には、数々の要因があることが「LIFULL HOME'S」の調査から明らかになっています。これまでに紹介されたリゾート地の中で、とりわけ湯河原と熱海の人気が高まっています。どのような理由からこのような流れが生じているのか、詳細に迫ります。
湯河原の魅力と物件価格の上昇
湯河原(神奈川県)は、歴史ある温泉地として訪れる人々を魅了しています。特に東京までのアクセスが良好で、通勤可能なリゾート地としての位置づけが強まっています。今年に入り、中古物件の価格が2019年に比べ148.3%も上昇し、平均価格は2,096万円から3,107万円へと急激に上昇しました。
この物件価格の上昇は、まず「転職なき移住」の流れによるものです。家族が郊外に移り住むケースが増え、テレワークが普及したことで、地域に住む人々の実需が増加してきているのです。駅周辺から奥湯河原エリアにかけて、住宅購入が実需要に支えられているという観点は非常に重要です。
実際、湯河原は自然豊かで相模湾の美しい景観が広がるため、快適な生活環境が整っています。そのため、実際に家族とともに住むためのニーズがあります。リーダビリティランキングでも、2023年の94位から、2025年には6位に急上昇しており、このままの流れが続けばさらなる価格上昇が予期されます。
熱海の特異性と需要の実態
続いて、熱海(静岡県)について見てみましょう。新幹線を利用すれば東京まで約40分というアクセスの良さと、人気観光地としての地位が確立されている熱海でも、同様に物件価格が上昇しています。2025年の中古物件価格は、2019年に対し114.6%の上昇を見せ、特に一戸建てが119.9%と高い増加率を記録しています。
ここでも、インバウンド需要が高まりを見せており、観光需要が回復しているのが驚くべきポイントです。リタイア後のセカンドハウス需要も根強く、新幹線の利便性がリゾート地としての人気を更に高めている要因となっています。
さらに、熱海は温暖な気候が特徴的で、コロナ禍以降に実需が増加しました。多くの人がアクセスの良い「静岡県の奥座敷」として熱海に目を向けているため、物件のコストパフォーマンスが高いとされています。
越後湯沢における新しい流れ
新潟県の越後湯沢も興味深い動向が見られます。スキーリゾートとして知られるこのエリアでは、中古マンションの価格が2019年に比べ168.5%上昇する動きを見せています。バブル期に供給が進んだリゾートマンションの多くが、コロナ禍の影響で一時下落しましたが、最近ではリゾートマンションの購入に踏み切る方が増えつつあります。
物件価格は依然として安価ですが、需要が増している様子がうかがえます。バブル期の遺産ともいえる物件が再び脚光を浴び始めているのは、観光需要の急速な回復によるものでしょう。
まとめ
LIFULL HOME'Sによる調査は、リゾート地に関する新たなトレンドを反映したものであり、今後も定期的に注目していく必要があります。湯河原や熱海のような地域は、実需・セカンドハウス需要が高まっており、物件価格は今後も上昇することが予想されます。そのため、これからの不動産市場はますます活発になることでしょう。常に最新の情報を把握し、賢明な判断を下すために、皆さんも不動産に関する情報をしっかりと収集していくことが重要です。