水稲有機栽培に革命をもたらす「アイガモロボ® IGAM2」
農研機構を中心に設立された「スマ農アイガモロボコンソーシアム」が、2025年から2027年にかけて水稲有機栽培の省力化と効率化を目指すプロジェクトを始動します。本事業の核となるのは、水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ® IGAM2」です。これまでの従来技術に加え、最新のAIを駆使した技術を結集して、除草作業の時間をなんと8割も削減するという新たな水稲栽培の形を模索しています。
水稲の現状と課題
日本において、水稲有機栽培の市場は年々拡大していますが、その実施にはさまざまな課題が存在します。特に、除草作業は時間と人手を大量に消費するため、多くの生産者にとって負担となっていました。農研機構が策定した「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに有機農業の取り組み面積を100万haに増やす目標を掲げており、その実現には水田における有機栽培推進が欠かせません。
IGAM2の改良と効果
新たに発表された「IGAM2」では、軽量化と価格の低減が図られ、狭小な水田や不整形水田でも扱いやすくなりました。これにより、全国各地の多様な生産環境においても導入が進むことが期待されます。また、ブラシの改良や各種栽培技術の構築も行われ、各地域ごとの土壌や条件に適した方法が体系化される予定です。
具体的には、全国11県30の経営体と協力し、生産現場での実証検証を進めます。これにより、より実効性のある栽培技術が確立され、早期の普及が図られる見込みです。
スマ農開発・供給事業
「スマ農開発・供給事業」では、IGAM2に加え、自動水管理装置や栽培管理支援システムの連携も視野に入れています。これらの技術が融合することで、作業の効率化と省力化が実現し、さらなる生産性の向上が期待されます。また、これらの技術の普及は、全国的な水稲有機栽培面積の拡大に寄与し、持続可能な農業の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。
まとめ
「アイガモロボ® IGAM2」の開発とその普及は、水稲有機栽培の新たな時代を切り開く可能性を秘めています。生産者、研究機関、地域組織が一体となることで、未来の農業がどのように変革していくのか、今後の展開に目が離せません。持続可能な社会への貢献が期待されるこのプロジェクト、是非注目です!