研究の背景と目的
日本女子大学では、聶逸君さんが有配偶女性の離職や転職に関する実証研究を行いました。この調査の目的は、女性がキャリア選択を行う際の要因を明らかにし、その支援のあり方を考えることです。近年、出産や育児といったライフイベントが女性のキャリアに与える影響が注目されていますが、実際にどのような要因が離職や転職に影響を及ぼしているのかを探求しています。
主要な調査結果
研究において得られた結果は、以下のように要約されます。
1.
年齢と職業選択の関連性: 30代女性の離職リスクが高く、特に末子が小さいと無職になる可能性が増えることが確認されました。10歳以上の子どもを持つ女性と比較すると、育児をする有配偶女性の就業継続が難しい実態が浮き彫りになりました。
2.
制度的要因の重要性: 雇用保険への加入は、離職後のキャリア形成において重要な役割を持っています。雇用保険に加入した女性が正社員に転職する確率は、継続して働いている場合に比べ約3.5倍高いことが示されています。
3.
教育訓練と転職: 職場内外での教育訓練が女性の転職に与える影響は矛盾しており、職場外訓練は正社員への転職確率を約1.7倍高める一方、職場内訓練は非正社員としての転職確率を同様に2.7倍に引き上げていることがわかりました。
4.
自発的な学習行動の効果: 読書やインターネットでの情報収集は、実務スキルの獲得や転職準備に寄与し、女性のキャリア形成をサポートするための施策の必要性が指摘されています。
研究の意義と今後の展望
この研究は有配偶女性のキャリア形成を、個人の希望や属性だけでなく、雇用保険や教育訓練などの支援条件とも関連づけて考察しています。特に制度的支援と正社員への転職の関係は、女性がライフイベントに影響される中でも安定した就業を確保するための政策立案に寄与する内容です。
ただし、今後の研究では、職場文化や家族のケアの必要性など、数量化しにくい要因を含めた多面的な検討が必要とされます。有配偶女性のキャリアをより良い方向へ導くためには、引き続き制度とサポートの両面から考えていく必要があります。
まとめ
日本女子大学の今回の研究から、女性のキャリア形成を支えるための具体的な要因が明らかになりました。ライフイベントに伴うキャリア選択の重要性を強調することで、今後の支援策のあり方に影響を与え、女性が働き続けられる社会の実現に貢献することが期待されます。さらなる研究がもたらす知見を通じて、以降のキャリア政策に役立てることが求められています。