東京証券取引所ビルが耐震バリューアップ工事を完了
東京のランドマークである東京証券取引所ビル本館が耐震バリューアップ工事を無事に完了しました。平和不動産株式会社、三菱地所設計、鹿島建設の3社が誇るこのプロジェクトは、2023年12月から2025年9月にかけて行われ、最新のTMD型制震装置「D³SKY®-L」を設置することで、ビルの耐震性能を一新しました。
耐震性の向上
東京証券取引所ビルは1988年に竣工以来、高い安全性を誇る超高層ビルとして利用されてきましたが、耐震バリューアップ工事を通じて、さらなる向上を図ることとなりました。その目的は、BCP(事業継続計画)性能の強化にあります。これにより、ビル利用者の安全・安心がより一層高まることが期待されています。
設置されたTMD型制震装置「D³SKY®-L」は、中小地震から長周期の地震動に対応し、建物の揺れを大幅に軽減するための最新技術が用いられています。この装置の導入により、全方向の揺れを半減させるシミュレーション結果も確認されています。
省スペース設計
「D³SKY®-L」は、鹿島が開発したもので、特に省スペース設計が施されているため、建物の外観に与える影響もほとんどありません。操作もシンプルで、使い勝手が良いため、利用者にも安心感を与えます。
開発にかかる経験と技術
平和不動産は70年以上もの間、日本橋兜町や茅場町を中心に都市の発展を支えてきました。東京証券取引所ビルの改修計画もその一部であり、最新の技術を用いることで、利用者への安心と快適さを追求しています。
三菱地所設計も135年の経験を生かし、耐震バリューアップ計画では多くの専門技術者が一丸となって最適な改修設計を施しています。このような長い歴史と技術が今回のプロジェクトの成功につながっています。
今後の展望
鹿島建設は1980年代から制震技術の研究・開発を行っており、これまでにも数多くの成果を上げています。今回の「D³SKY®-L」の導入は、その実績の一環でもあります。今後も継続的な研究や改良を加えながら、安全で安心な暮らしへとつながることを目指しています。
耐震バリューアップ工事を通じて、東京証券取引所ビルがさらに進化した姿を市民に提供できることは、特に大切なことでしょう。これからの都市・構造物の発展に期待が寄せられます。
工事の概要
- - 概要: TMD型制震装置「D³SKY®-L」×2基、合計800tを設置
- - 工期: 2023年12月~2025年9月
- - 事業者: 平和不動産株式会社
- - 設計: 株式会社三菱地所設計、鹿島建設株式会社
- - 施工: 鹿島建設株式会社
建物情報
- - 名称: 東京証券取引所ビル本館
- - 所在地: 東京都中央区兜町2番地1号
- - 用途: 事務所
- - 構造: 鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
- - 階数: 地上15階、地下3階、塔屋2階
- - 高さ: 最高高さ78.8m
- - 竣工: 1988年4月