住宅ローンのボーナス払いに不安を感じる人は80％超、特に若年層に深刻な影響

住宅ローンのボーナス払いに潜む深刻な不安

住宅取得のための手段として広く使われる住宅ローン。その中でも「ボーナス払い」を採用している人が多い中、最近の調査により、約80％の人々がボーナス払いに対して不安を抱えていることが明らかになりました。特に、この不安は若年層においてより深刻であることが判明しています。

調査の背景

インプルーブメント株式会社が実施したこの調査では、453名が「住宅ローンでボーナス払いを利用している」ことを確認しました。近年、物価の上昇や政策金利の引き上げに加え、企業業績の不透明感が増しており、ボーナス自体も不確実な収入と化しています。そのため、今後のボーナス払いの継続やボーナスが減少した場合の影響について大きな不安が生まれています。

その結果、ボーナス払いに対する不安は特に20代では89.6％と高く、全体としても80.8％が「何らかの不安を感じている」と回答しています。これは非常に危機的な状況を示しています。

ボーナスが減った場合の影響

調査では、ボーナスが減額またはカットされた場合、69.8％の人々が「困る」と答えています。この傾向は、ボーナス払いが返済の2割以上を占める家庭において顕著で、約9割が影響を受けると感じています。

加えて、返済を滞納した場合でも「金融機関と話し合えば解決できる」との楽観的な思考を持つ人が41.7％も存在するという結果も出ており、競売のリスクについての認識不足が浮き彫りになっています。実際には、住宅ローンを6ヶ月以上滞納すると、銀行は競売手続きを開始する可能性が高く、これによって多額の残債を抱えるリスクが増大します。

相談をしない現実

驚くべきことに、調査に参加した回答者のうち、住宅ローンの見直しについて金融機関に相談をした人は僅か18.6％にとどまっています。さらに、全体の81.4％が一度も相談をしたことがないというのが実情です。これは、問題を抱えたまま放置してしまう傾向を示しています。

任意売却の認知度の低さ

競売を回避するための「任意売却」を知っていると答えた人はわずか13.0％でした。任意売却は競売と比較して市場価格に近い価格での売却が可能で、債務者にとって大きなメリットがありますが、多くの人々がこの選択肢を知らないまま、問題が深刻化してしまうリスクがあります。

対策依存と切実な声

もしボーナス払いが困難になったとき、多くの人は貯蓄を切り崩すことに頼っていることが分かりました。その一方で、約11.5％の人々が「どのように対処すれば良いか分からない」と感じており、適切な解決策を知らないという問題があります。自由記述では「ボーナス払いを選んで後悔している」との声も多く寄せられ、深刻な不安が広がっていることを伺わせます。

結論

今回の調査は、住宅ローンのボーナス払いがいかに多くの人々に不安をもたらしているか示しています。この問題は単なる個人の問題に留まらず、社会全体に影響を与える可能性があります。次のステップとして、早期の相談や具体的な対策を講じることが求められています。住宅ローンを利用する際は、不安を感じた時点で専門家に相談することが重要です。任意売却やリースバックなどの手段を知ることで、最悪の事態を避けることができるでしょう。