磯田道史が明かす尾張の歴史、熱田神宮と古墳の真実に迫る

磯田道史が明かす尾張と権力者たちの真実

日本の歴史を深く掘り下げる番組「磯田道史の歴史をゆく」が、11月26日（水）夜9時から放送されます。今回は名古屋に位置する熱田神宮とその隣にある断夫山古墳を訪れ、尾張の歴史に秘められた謎を明らかにしていきます。

熱田神宮とその文化財の意義

熱田神宮は、草薙神剣を神体として祀っている日本の重要な神社であり、その人気は年間700万人を超えます。数々の権力者、特に織田信長や源頼朝、徳川家康がこの地に深く関わっていたことからもわかるように、熱田神宮は日本統一の鍵を握る場所なのです。磯田道史教授がユニークな視点で解説する番組では、熱田神宮宝物館に収蔵されている国宝や重要文化財についても取り上げられます。

特に注目すべきは、長い歴史を持つ刀剣の数々です。中でも明治時代から国宝に指定されている短刀「来国俊」は、磯田教授によると「戦前の考えでいうと国宝の中の国宝」と称されています。この刀剣の魅力や、歴史的背景について独自の視点で解説します。

また、熱田神宮には平家の武士・平景清が使用した脇指があり、源頼朝暗殺の陰謀が伝えられています。この脇指が熱田に奉納された理由は、頼朝の母が熱田大宮司の家系であったからとされています。

野心的な戦いと熱田神宮

織田信長が桶狭間の戦いで勝利を収めた際には、熱田神宮での戦勝祈願が大きな役割を果たしました。このように、熱田神宮は日本の歴史において重要な場所であり、そこに訪れた権力者たちの痕跡をたどることで、当時の社会情勢が見えてくるのです。

断夫山古墳の秘密

隣接する断夫山古墳もまた非常に重要な遺跡です。この古墳は全長151メートルの前方後円墳で、古代日本の権力者が眠る場所と考えられています。磯田教授は、発掘された埴輪から新たな仮説を導き出しました。西暦500年代のものと見られる円筒埴輪には最高レベルの技術が用いられており、その時代の文化と信仰を理解する手がかりとなります。この古墳に埋葬されているのは、尾張氏の娘・メノコヒメの可能性が高く、彼女は現在の皇室の祖先にあたる人物です。

磯田教授は、古代の女子の埋葬の慣習やDNA鑑定の結果から、今の皇室のもとになっている人が埋葬されているかもしれないという驚くべき発見を語ります。彼によると、尾張地方は日本統一においても重要な役割を担っており、これを探ることで新たな歴史の理解が得られると示唆しています。