アッヴィが未治療CLL/SLL向け新治療選択肢を提供
アッヴィは最近、抗悪性腫瘍剤である「ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)」が、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)に対する新たな治療選択肢として、効能・効果の追加に係る承認を国内で取得したことを発表しました。これは、日本国内におけるこの稀な疾患に対する重要なステップとなります。
CLL/SLLの現状
日本におけるCLLの患者数は約6,000人と推定されており、実は未治療の段階での治療薬の選択肢が乏しかったのが現状です。CLLは欧米では一般的な白血病ですが、日本では比較的少ないため、医療現場には特別な配慮が必要とされてきました。また、典型的には70歳前後で診断され、男女比では男性が多く見られることがわかっています。
SLLはCLLと同じ細胞タイプですが、末梢血や骨髄に浸潤しない腫瘍として定義されています。患者の多くは緩やかに進行しますが、場合によっては急速に進行し、予後を厳しくすることもあります。
ベネクレクスタの新たな承認
新たに承認されたベネクレクスタは、他の抗悪性腫瘍剤との併用療法により、未治療のCLL及びSLL患者への治療効果を期待されています。この薬剤は、特定のBCL-2タンパク質をターゲットにし、がん細胞のアポトーシス(細胞の自然死)を促進します。2019年以降、この薬は再発または難治性のCLLにのみ対応していましたが、今回の承認により未治療患者に対しても使用できるようになります。
症例に基づく承認の背景
今回の承認は、国内での第2相試験および海外での第3相試験データを基にしています。具体的には、日本国内で実施されたM20-353試験や国際的なCLL14及びGLOW試験の結果が反映されています。これにより、CLLやSLL患者に新たな選択肢を提供し、治療の可能性を広げた格好です。
患者にとっての意義
この新たな治療法の承認は、未治療の患者にとっての心強いニュースです。これまでの治療法は、長期間の服用が必要であったり、患者の体調に応じて調整が不可欠であったりと、さまざまな課題を抱えていました。ここに新たな治療薬が加わることで、患者の選択肢が広がり、治療の継続が一層容易になることが期待されます。
日本におけるCLL治療薬は依然として限られており、特に新たな治療法へのニーズは高まっています。この新薬は、その期待に応えるべく開発されてきたものです。アッヴィは今後も患者の生活を改善し、治療の選択肢を増やす努力を続けていくでしょう。
今後の展開
アッヴィは、今後も様々な血液がんにおける新薬の開発を進め、患者への貢献を目指しています。このような新治療の登場によって、CLLやSLLを抱える患者に、より良い未来が期待されることを、私たちは願っています。
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