新型ジブクレーン「CSH36-6」のご紹介
株式会社加藤製作所が新たに2.8t吊り組立定置式ジブクレーン「CSH36-6」の販売を開始しました。この新型機は、鉄塔建設作業に特化しており、従来機の性能を踏襲しつつ、さまざまな改良が施されています。なぜ今、このジブクレーンが求められているのか、その背景と特長についてご紹介します。
鉄塔建設の現状
近年の再生可能エネルギーの普及により、発電所は遠隔地に分散する傾向があります。これに伴い、新たな送電ルートの整備が急務とされています。また、全国各地にある送電線設備の老朽化も進行しており、更新や新設に対する需要が高まっていることから、鉄塔建設作業への期待が寄せられています。しかし、現場で使用されているクレーンの多くが1990年代に導入されたもので、耐用年数を迎えたものが多く、稼働できる機体が不足しているのが現状です。
CSH36-6の開発背景
このような課題に応えるべく、加藤製作所は新型ジブクレーン「CSH36-6」を開発しました。本機は、深礎基礎工事の際に使用するクレーンとして、作業の効率化を図ることを目的としています。全体的な設計が見直され、アウトリガーやロワーフレーム、パワーユニット、運転席ユニットが一新され、操作性と安全性が向上しました。特に、山岳地や傾斜地での作業においても、高い労働効率を実現できるのが大きな特長です。
特長と改善点
1. 使いやすさの向上
「CSH36-6」では「クレーン運転(5t未満)に係る特別教育」を受講したオペレーターが運転可能です。必要な免許や技能講習が不要なため、新たにクレーンを操縦するハードルが低くなりました。さらに、新型ラジコンを標準装備しており、軽量化とコンパクト化を実現しています。オペレーターの負担が軽減され、作業の効率が向上します。
2. 高速作業が可能
新型ウインチの搭載により、巻上・巻下操作が2速化され、スピーディーな作業が可能になりました。巻き上げ力が従来機の約1.5倍になった大径溝付きウインチドラムも採用されています。これにより、乱巻防止の機能も強化され、高速操作への対応も実現されています。
3. 360°の旋回機能
CSH36-6は360°無限旋回が可能で、これにより作業範囲を大幅に拡大しました。これにより、狭い域でも効果的に作業ができ、クレーンの作業効率が大きく向上します。
4. 保守性と作業性の向上
各ユニットの組立(分解)性が見直され、組み立て時の時間短縮が実現されました。燃料配管の構成を変更し、必要な接続作業を減らすことで、メンテナンス時の負担も軽減されています。
5. 安全性の向上
新型の安全機能として、作業範囲制限装置が搭載されています。これにより、ブームと旋回の制御が強化され、作業の安全性が大きく向上します。さらに、傾斜警報装置も新たに導入されており、クレーンの傾きを感知して警報を通知します。
まとめ
加藤製作所の新型クレーン「CSH36-6」は、これからの鉄塔建設に不可欠な存在となるでしょう。従来のクレーンの限界を超える先進的な設計と機能を備え、作業性や安全性の向上を実現し、需要の高まる鉄塔建設市場において重要な役割を果たすことが期待されます。持続可能なインフラ整備に貢献するこの新型ジブクレーンは、今後注目を集める製品と言えるでしょう。