名古屋のイノベーション拠点、STATION Aiが受賞!
名古屋市昭和区に本社を置くSTATION Ai株式会社が、2025年9月に東京都千代田区で行われた授賞式において、第38回日経ニューオフィス賞の「サード・ワークプレイス推進賞」を受賞した。この表彰は、快適で機能的なワークスペースの整備や創造性の育成、共創の促進を評価するものであり、STATION Aiの基盤が高く評価された結果である。
STATION Aiの特徴とは
STATION Aiは、2024年10月に開業される予定の日本最大級のオープンイノベーション拠点。多様な企業、大学、ベンチャーキャピタルと連携し、地域の潜在力を引き出すための新事業を創出することを目的にしている。施設は、名古屋大学などの学術機関からの研究力を活かし、スタートアップと既存産業の融合を進めている。これにより、世界水準の革新性や技術力を兼ね備えた新事業の創出を目指している。
STATION Aiは「Autonomous City」という理念のもと、街のように機能しており、廊下を排除した多様な居場所が連続し、利用者同士の交流が生まれやすい設計だ。特にスパイラルフロア構造により、会議室やイベントホールがスムーズに繋がっており、フロア間の移動を楽にする工夫が施されている。その結果、偶発的な出会いやアイデアの交換が促進され、新しいビジネスの誕生につながる。
空間の多様性と利用者の交差
この施設は、ラボやオフィス、イベントホール、フィットネスジムなど、多機能・多目的な空間構成が特徴で、入居者だけでなく近隣の学生や住民も利用できる開かれた場所となっている。また、企業や自治体の関係者など、さまざまなステークホルダーが交差する設計となっており、日常的な交流を促進する工夫が凝らされている。
さらに、先進的なIoT・AI技術を取り入れたスマートビルとしても注目され、スタートアップの実証実験の場としても適した環境が整備されている。ロボットフレンドリーな環境は、利用者が新しい技術に触れる機会を提供している。
創造性を育む文化
STATION Aiの施設内には、多様性を重んじたサインや152点のアート作品が展示されており、訪れる人々に新たなインスピレーションを与える空間が構築されている。これにより、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まり、共創の場としての役割が果たされる。
受賞の意義と今後の展望
STATION Aiは開業から間もなく1年を迎える。受賞の知らせは、さらなる利用者の増加や交流を期待させるものである。運営側は、全てのステークホルダーがより利用しやすい環境を整え、継続して進化し続けることで、オープンイノベーションの進展を図る。
デザイン監修を行った名古屋工業大学の伊藤准教授からは、STATION Aiが「街を探索する感覚を持たせる」ようにデザインされたとのコメントが寄せられており、利用者同士の出会いや交流が重要視されていると語っている。
入居者の声と今後の期待
入居しているスタートアップのCEOからは、「オープンなコモンエリアでの偶発的な出会いがプロジェクトにつながることが多い」との声がある。また、大学関係者も「官民学が交差する環境は、他のインキュベーション施設にはない強みだ」と語っており、このような文化をさらに広めることが期待されている。
STATION Aiは、オープンイノベーションを生み出すための支援を行っており、国内外の多くのスタートアップや企業、大学が参加し共創している。このような新しい形のワークプレイスが、未来のビジネスシーンにも影響を与えていくことだろう。