アセンブラ合同会社が特許取得した新技術
アセンブラ合同会社(埼玉県所沢市)は、2025年3月17日にデジタルツインを活用した仮想空間の特許を取得しました。この技術により、現実空間のデータを即時に仮想空間に同期し、更新することが可能になります。これによって、仮想空間にいる人々が、実際にその場にいる他者とリアルタイムで交流したり、観光体験をすることができるようになります。
デジタルツインとは何か?
デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実空間をコンピュータ上で双子のように再現する技術です。この技術を使うことで、ユーザーは仮想空間にアバターとして訪れ、現実空間にいる人々とリアルタイムでコミュニケーションを取ったり、買い物を楽しむことができます。
特許技術の特徴
従来のデジタルツイン技術では、利用者がVRゴーグルを装着し、3Dデータに基づいた仮想空間を探索することが一般的です。しかし、この場合、現実空間の情報は過去のものや作られたデータにしか基づいていませんでした。アセンブラの技術は異なり、現実空間の位置情報と人物情報を特定することで、仮想空間をリアルタイムで更新できます(特許第7300220号)。
しかし、現実空間の情報を利用者それぞれが共有するためには、大量の3Dデータを瞬時に演算し、送信する必要があります。現在の技術では難しいため、アセンブラは加えてARグラスを使用し、現実空間にいる人が注目している情報を取得して更新するという新しい方法を採用しました(特許第7646116号)。
利用シーンの想定
アセンブラは、2020年に高齢者福祉や障がい者福祉に焦点を当て、ヨーロッパで人気のあるケアファームをモデルにした「日本型ケアファーム」を設立しました。この取り組みを通じて、移動が困難な方々が仮想空間を活用して、遠くの農園や観光地を訪れてもらうことを目指しています。
観光体験にはその土地の文化や人々との交流が不可欠です。リアルタイムで現実空間と繋がることで、高齢者や障がい者が「旅行に行けない」といった制限を感じることなく、北半球の春や南半球の秋を一日で巡ることが可能になります。さらに、リモートワーカーは仮想空間ではなく、現実のオフィスで一堂に会することができ、会議を開くことも実現できます。
この特許のPCT(国際特許)審査中の特許番号7300220号に加え、特許7646116号については、様々な利用シーンが考えられるため、アライアンス企業を募集中です。新たな技術が開く未来の可能性に期待が高まります。
参考リンク