「Project Pax」フェーズ2の始まり
2024年10月、Progmat, Inc. と株式会社Datachainは、クロスボーダー送金の基盤となるプロジェクト「Project Pax」のフェーズ2を開始しました。この新たなステージにおいて、株式会社商工組合中央金庫(商工中金)が国内で初めての参画銀行となり、注目されています。
フェーズ2の背景
本プロジェクトは、各国金融機関との連携を深め、ステーブルコインを用いた送金の利便性を向上させることを目的としています。これまでのフェーズ1では、SWIFTやProgmat、Datachainのシステム間での技術検証が行われ、技術的な基盤が整備されました。フェーズ2では、国内外の銀行と提携し、より実務に即した形での送金検証が進められます。
商工中金は、多くの中小企業の支援を行う金融機関として、国際的な取引に関するサービスの向上を目指しており、クロスボーダー送金の円滑化を図っています。
実務検証の内容と影響
フェーズ2では、商工中金のシステムとオペレーションの観点から、Project Paxで構築された基盤の実務的な導入可否について検証します。これにより、送金業務における利便性が向上し、特に中小企業にとっての負担軽減が期待されます。商工中金はこのプロジェクトの成功が、顧客にとって魅力的なサービスを提供し、企業の海外展開を支援する要素となると考えています。
各参画者の役割
- - Progmat: プロジェクトの全体推進と取りまとめを担当。
- - Datachain: 銀行との接続に関する技術的な検証や運営の実現性の確認を実施。
- - 商工中金: 国内銀行としてシステムやオペレーションの観点からアドバイスを行います。
商工中金の今後の展望
商工中金は、クロスボーダー送金を含む外国為替業務を重点に据えており、2025年4月から本格的な検証を進め、同年内には商用化を目指します。このプロジェクトが成功すれば、国際決済のスタンダードを構築することで、多くの企業がスムーズに海外展開できる環境が整うことになります。
高畑常務執行役員国際部長は、「Project Pax」に参加することで、中小企業のお客様へのサービス向上が図られると述べています。この一歩が、国内企業にとって新たな可能性を切り開くことになるでしょう。
まとめ
「Project Pax」の取り組みは、国内外の金融機関の連携を強化し、国際的な決済手段の高度化に貢献するものです。商工中金の初参加を機に、今後の展開に大いに期待が寄せられています。国際業務における新たな波が、東京のビジネスシーンにも届くことでしょう。