再生可能エネルギーを最大限に活かす新たな試み
東京ガス株式会社と三菱地所株式会社は、オフサイトフィジカルコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)のスキームを活用した新しい電力供給体制を開始します。この取り組みは、三菱地所グループが所有する物流施設「ロジクロス座間」と東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)による太陽光発電システムの連携によって、商業施設で再生可能エネルギーを最大限活用するものです。
物流施設「ロジクロス座間」とその役割
「ロジクロス座間」は2023年11月30日に竣工した新しい物流施設であり、屋上にはTGESが設置した出力2,200kWの太陽光発電設備があります。この設備は、本施設が消費する電力を上回る発電性能を持ち、その余剰電力を三菱地所の持つ「丸の内仲通りビル」へ送電します。これにより、電力供給が効率的に行われる新しい自社物件連携型のスキームが確立されたのです。
この取り組みにより、「丸の内仲通りビル」での使用電力の一部を、発電された再生可能エネルギーに切り替えることが可能になり、環境負荷の低減に寄与します。東京ガスと三菱地所が共同で進めているこのプロジェクトは、日本における持続可能なエネルギー利用の新たなモデルケースといえるでしょう。
脱炭素社会に向けた両社の目指す価値
東京ガスは「Compass2030」という経営ビジョンのもと、2030年までに国内外で600万kWの再生可能エネルギー電源の取扱いを目指しています。再生可能エネルギーの開発と利用にあたり、太陽光、風力、バイオマスといった多様なエネルギー源を取り入れています。
さらに、東京ガスグループは、安定した電力供給を実現するための技術を持っており、再生可能エネルギーの発電出力に大きな変動がある場合でも、天然ガス火力発電所などとの連携でバランスを取ります。これにより、顧客に低廉な電力を届けることを可能にしているのです。
マッチングを強化する三菱地所グループの戦略
三菱地所グループも脱炭素社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。「SBTi」や「RE100」といった国際的なクライメートイニシアティブに参加し、所有・運営する全ビルにおいて、再生可能エネルギー電力の使用を推進しています。さらに、2025年度にはすべてのビルで再生可能エネルギー導入を100%達成する見通しです。
新たな挑戦と展望
今後、東京ガスと三菱地所は、再生可能エネルギーの利用を更に広げるため、引き続き緊密に連携していきます。また、都市部における太陽光パネルの設置が難しい場所でも、このような取り組みを通じて再生可能エネルギーの利用を拡大し、持続可能な社会の構築に貢献していくことを目指しています。
このように、両社の取り組みは再生可能エネルギーの利用を最大化するための新たな一歩となっており、業界内外からの注目が集まっています。