「初の正伝で明かされる『丸善』創業者早矢仕有的の全貌」
2026年の1月、東京都千代田区の丸善・丸の内本店で、早矢仕有的の没後125周年を記念した特別資料展が開催されます。この資料展は、彼が創業した「丸善」の歴史や彼の生涯に迫る貴重な機会となります。ご存じの方も多いと思いますが、早矢仕有的(はやし・ゆうてき)は日本の近代化の礎を築いた医師であり実業家です。運営する丸善雄松堂株式会社、株式会社丸善ジュンク堂書店、そして丸善出版株式会社の3社が共同でこの企画を立ち上げました。
早矢仕有的の生涯
早矢仕有的は1837年に美濃国笹賀村(現在の岐阜県山県市)で生まれました。彼の父が医師だったことから、彼もその職を継ぎましたが、医師としての成功と並行して、実業にも挑戦することになりました。若き日の有的は江戸での修行を経て、日本橋で開業し、医師としての地位を確立しました。その後、1867年に出会ったのが福澤諭吉です。この出会いは、彼の人生を大きく変えるきっかけとなりました。
福澤の教えを受け、早矢仕は自由な商取引と教育に目を向け始めます。当時、日本の商業界は未成熟であり、外国商館に日本の権益が流れることを懸念していた彼は、さらなる挑戦を決意します。まさにその時期に「丸屋商社(後の丸善)」を設立し、実業家の道をスタートさせました。彼は医師としての顔を持ちながらも、「日本初」の数々の事業に関わり、近代的な商業の発展に寄与しました。
しかし、全てが順調だったわけではありません。起業した銀行が破綻した際、有的はビジネスから一時的に距離を置くことになります。それでも、彼の挑戦精神は失われることなく、1901年に他界するまで、新しい事業への挑戦を続けました。
資料展の内容
この資料展では、初めて彼の生涯を真正面から取り上げ、彼がどのように近代日本の礎を築いたのかを多角的に紹介します。展示には、早矢仕有的が創立した「丸屋商社之記」(日本初の会社設立趣意書の復刻版)や、慶應義塾の入社帳、商法学校関係の資料などが用意されています。特に、商業への関心を持つきっかけとなった福澤との関係がどのように彼の人生に影響を与えたのかを知ることができるでしょう。
また、図書館からの貴重な書簡や歴史的資料も展示される予定です。さらには、講演会やギャラリートークも開催され、教育現場から学者たちが彼の功績について語ります。予約制の講演会も用意されており、定員は各回30名と限られています。
詳細情報
この特別な資料展は、2026年の1月2日から13日まで、丸善・丸の内本店4階のギャラリーで行われます。時間は日によって異なりますが、基本的には9時から21時まで開場しています。最終日は15時に閉場されるため、事前にスケジュールを確認することがすすめられます。
この資料展は、近代日本の成り立ちを知る上での重要なイベントであり、早矢仕有的という人物を再評価する機会でもあります。ぜひご来場いただき、その足跡を辿ってみてください。
特設サイト:
こちら
彼の歴史的な業績がどのように現在の日本に影響を与え続けているのか、ぜひその目で確かめてください。