香りの力で地域活性化
2025-07-31 13:55:11

地域資源を活かした香りの創造が未来を拓くSOU FRAGRANCEの挑戦

地域資源を活かした香りの創造が未来を拓く



近年、SOU FRAGRANCE(ソウ フレグランス)は、日本各地に眠る未利用資源を生かした香りの創造に取り組んでいます。この香りのクリエイティブスタジオは、代表の折井茜が2024年に設立し、天然精油のみを使用した香りのデザインを手がけています。

地産地香の哲学


SOU FRAGRANCEが特に重視しているのは、「地産地香」という独自の理念です。この哲学は、地域で採れた素材を単なる原料ではなく、その土地ならではの香りとして再構成し、その背景にある記憶や風土を香りに溶け込ませることを目指しています。このようにして生まれる香りは、地域の風景やストーリーを物語として聴くことができる特別な存在です。

実際、SOU FRAGRANCEは、果皮や剪定木などを活かし、香りという形で地域の記憶を再構築しています。この取り組みは単なる香りの販売にとどまらず、空間や人、土地の関係性を再設計する「記憶のメディア」としての役割も果たしています。

香りがつなぐ人と地域


香りは、土地と時間を記録する媒体とも言えます。SOU FRAGRANCEでは、香りの背景にある自然や物語に敬意を払い、その年、その土地の“ゆらぎ”を香りに映し出しています。この「ゆらぎ」こそ香りの美しさと信じ、地域の魅力を引き出す手法を確立しています。香りは、無意識に人々を地域と結びつける力を持っています。

具体的には、公共の場や宿泊施設などで香りを通じて「過去と現在」「地域と来訪者」「生活と観光」の結びつきを高める演出が行われています。これにより、「香りを介した風土体験=セントスケープ」が実現されており、地域の魅力を生き生きと感じてもらうことを目指しています。

五感を通じた体験設計


SOU FRAGRANCEでは、香りの製品開発にとどまらず、空間演出や体験設計にも力を入れています。特に、駅や公共空間での香り演出を通じて、地域の特色を生かした心地よい環境づくりに取り組んでいます。実際に、JR九州の折尾駅では香りを導入した実証実験が進行中です。こうしたアプローチは、地域住民や旅人にとって、記憶を呼び覚ますきっかけとなるのです。

SOU FRAGRANCEは、香りの効果を最大限に生かした空間体験を提供することで、心と体のバランスを整える役割を果たしています。これらの香気成分は自律神経を安定させ、ストレスを軽減するといった効果を発揮します。

未利用の香り資源を再活用


日本にはまだ多くの未利用資源が存在します。大分県のカボス、石川県のスギ、熊本県の青柚子や紫蘇、東京都の剪定枝葉などはその一例です。これらは多くの場合、廃棄されることが多い素材です。SOU FRAGRANCEは、こうした素材の香気や文化的背景を丁寧に引き出し、香りを商品化するプロジェクトを推進しています。

この活動は、地域の風土や公共の場での香りの演出を向上させ、観光や教育、福祉など多くの分野と連携することで地域に新たな価値を生んでいます。地元の農家との連携を通じて香りの商品化を進め、地域活性化を目指しています。

今後の展望


SOU FRAGRANCEは2025年までに、地域の香りを生かしたブランディングや商品開発を推進し、大学や研究機関と連携して香りの心理的・生理的効果に関する研究も進めていく予定です。地域資源を活用し、持続可能な未来へとつなげる取り組みを続けていくことで、地域の香りが新しい文化を形成する可能性を秘めています。

折井茜のもとで、地域資源を活かした香りの共創スタジオとして、SOU FRAGRANCEがどのように未来を切り拓いていくのか、今後の活動に期待がかかります。


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