日本の防災「避難合言葉」を考える
ホーチキ株式会社が実施した「全国おはしも調査」は、日本各地の避難合言葉についての意識を探る興味深い調査でした。940名の男女が参加したこの調査によって、全国的な特徴や地域性が浮き彫りになりました。なぜ「おはしも」「おかしも」「おはし」が重要なのでしょうか。
1. 調査の背景と目的
ホーチキは1918年に創立し、日本初の火災報知機メーカーとして、防災の重要性を広めてきました。「全国おはしも調査」は、避難訓練や非常時に役立つ合言葉が世代を超えて子どもたちに伝承されることの重要性を認識し、その意識を調査することを目的として実施されました。
2. 調査結果の概要
調査の結果、最も多くの人が支持していた避難合言葉は「おはしも」で27.4%、次いで「おはし」が26.8%、そして「おかしも」が22.0%という結果でした。特に関東圏では「おかしも」(押さない・駆けない・しゃべらない・戻らない)が多く支持され、西日本では「おはしも」が目立ちました。また、山口県においては驚くべきことに90%もの支持を得ていました。
2.1 地域ごとの違い
地域によって、「おはしも」「おかしも」「おはし」がどのように支持されているのかは興味深いのです。例えば、中部地方では「おはし」が主流となっており、南北の文化の違いが如実に表れています。このことは、防災の合言葉が単なる言葉ではなく、文化や価値観を反映するものであることを示しています。
3. 重要性に関する意識
調査では、79%が「避難合言葉は子どもたちや家族に覚えていてほしい」と回答しており、これは防災に対する意識の高さを物語っています。また、81%の人々が「防災に有効」と評価しており、58.9%の人が「非常時に思い返す」と答えたことから、避難合言葉が現代においても重要な知恵として知られていることが分かります。
3.1 有効性の観点から
実際に東日本大震災などの非常時に避難合言葉が役立った体験談も数多く寄せられました。「津波てんでんこ」の合言葉で無事に高台へ逃げたとの声や、教師として避難合言葉を確認したことで全員が落ち着いて避難できたという体験談が多く寄せられています。これらの証言は、単なる言葉以上に重要な役割を果たしていることを示しています。
4. 今後の展望
ホーチキは、これからも防災意識を高めるための取り組みを続けていきます。避難合言葉の重要性を広めることが、将来の災害から人々を守るためには欠かせないステップです。これを機に、地域での防災に関する話題が活発に行われ、避難合言葉が自然と人々の間で共有されることが求められています。
5. 結論
「全国おはしも調査」は、日本の防災文化を見直す良い機会となりました。地域性を生かした避難合言葉が世代を超えて受け継がれることによって、より安全な社会が築かれることを願っています。今後もこのような調査を通じて、人々の防災意識が高まることを期待します。