半導体の新サービス
2026-09-14 11:32:36

先端半導体の熱課題に対応する評価サービスを始動

株式会社東レリサーチセンターが新たに開始した熱特性評価サービス



最近、株式会社東レリサーチセンター(TRC)が、先端半導体の熱課題に対応するための評価サービスをスタートしました。このサービスでは、時間領域サーモリフレクタンス法(TDTR)を用いて、ナノメートルオーダーの薄膜材料の熱伝導率及び異種材料間の界面熱抵抗を定量評価することができます。

流行の生成AIやスーパーコンピューター、自動運転システムなど、様々なデバイスに使用されている先端半導体。これらのデバイスの高性能化に伴い、内部での発熱問題が深刻化しています。発熱対策は、熱シミュレーションや放熱設計の精度を向上させるための大きな課題となっており、TRCのサービスが求められています。

熱特性の評価が求められる背景



生成AIやスーパーコンピューターが普及する中で、デバイスは高性能化し、その結果消費電力が増加しています。最終的に熱として発生する電力は、デバイスの性能や信頼性に悪影響を与えることがあります。そのため、発生した熱を効率良く外部へ逃がすことが重要です。これを受けて、TRCは薄膜による熱特性評価を実施することでデバイスの性能向上に寄与しようとしています。

デバイスに使われる薄膜材料は多く、各種薄膜の熱伝導率は厚みや成膜条件によって変動します。しかし、これらを実際に測定することは難しく、従来の熱物性測定法では、ナノメートルオーダーの薄膜やその界面の特性を直接評価することができませんでした。

TDTR法の利点と評価例



TRCが導入するTDTR法は、超短パルスレーザーを使用して瞬時に試料を加熱し、その後の温度変化を測定する分析手法です。具体的な評価例として、150 nm厚のニッケル薄膜の熱伝導率が約50 W/m·Kであることが確認されました。これは一般的なニッケル材料の約90 W/m·Kを大きく下回る結果で、薄膜化に伴う熱の伝達に対する影響が示されています。

また、成膜条件の評価も可能です。例えば、異なる成膜温度で作られた100 nm厚のシリコン窒化膜(SiN)の測定では、高温での成膜により熱伝導率が増加することが確認されました。これにより、成膜条件が熱特性に及ぼす影響を具体的に理解でき、材料設計に役立てられます。

未来への展望



TRCはこの新サービスを通じて、先端半導体や電子材料の熱設計に必要な実測データを提供することを目指しています。また、熱特性評価と総合材料分析を組み合わせて、デバイス開発をよりスムーズに進めるための手助けを行う予定です。このサービスにより、熱マネジメントの分野での新しいソリューションの提供が期待されています。

今後もTRCの取り組みに注目し、先端半導体の課題解決に繋がることを期待したいところです。


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