ZACROSが推進する新たなリサイクル技術
ZACROS株式会社が、軟包装向けの積層フィルムから接着剤や印刷インキを同時に除去できるリサイクル技術を開発しました。これにより、高品質なリサイクル材を生産することが可能となり、環境問題への取り組みが強化されています。本記事では、この新技術の詳細と、今後の展望についてお伝えします。
開発の背景
日用品の詰替パウチなどで利用される軟包装フィルムは、複数の素材を接着剤で重ね合わせた積層品です。これにより、製品の内容物を安全に保護する役割を果たしていますが、廃棄時にはリサイクルが難しいという問題があります。これまでのリサイクル方法では、サーマルリカバリーなどが行われていましたが、効率的な資源利用には至っていませんでした。
最近、EUをはじめとする国々でリサイクル材の使用を義務付ける規則が施行される中、ZACROSは高品質なリサイクルを可能にする技術の開発に本格的に取り組み始めました。この取り組みは社会的要求に応えるものであり、持続可能な未来に向けた重要なステップです。
層分離・印刷インキ除去技術
新たに開発された技術は、積層フィルムの各層に分かれている接着剤を効果的に除去し、印刷インキも同時に取り除くことができるものです。これによって、各素材を分離しながら高品質なリサイクル材を製造できます。本技術は、以下の特徴を持っています。
- - 特殊な接着剤が不要: 現在市販されている多くの軟包装向けフィルムに対応可能です。
- - 効率的な処理: 独自設計の溶液を使用することで、接着剤と印刷インキを効率的に除去できます。
- - 高品質なリサイクル材: 新たに製造されるフィルムは、従来のバージン材と同等の強度を誇ります。
今後の取り組み
ZACROSは、この技術を活用して軟包装向け積層フィルムのリサイクルシステムを構築していく予定です。具体的には、2027年度までに社会実装を目指して取り組むとしています。これにより、持続可能な開発が可能になるだけでなく、循環型経済の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されています。
サステナブル社会に向けて
ZACROSは、環境への配慮と生活の豊かさを両立させることを目指して活動しています。今回の層分離・印刷インキ除去技術も、プラスチックを「資源」として再利用し、資源循環を促進するための重要なステップにあたります。新技術を通じて製造したリサイクル材やそれを用いた製品が市場に流通することで、持続可能な社会の実現に貢献することができるでしょう。
展示会での紹介
この新技術は、2025年7月に東京ビッグサイトで開催される「第27回インターフェックス ジャパン」にて発表される予定です。この展示会では、ZACROSが開発した新技術に関する詳細情報が公開されるため、関心のある方はぜひ足を運ぶことをお勧めします。
ZACROSの新しいリサイクル技術は、環境意識が高まる中でますます重要な役割を果たすことでしょう。今後の展開に目が離せません。