ファッションロスを都市資源に変える.
私たちの生活の中で、毎日当たり前のように着ている服。しかし、裏側には驚くべき事実が隠れています。それは、世界中で年間約9,200万トンもの衣類が廃棄されているということです。不要になった衣類や、売れ残ったもの、さらには生産過程で出る端材などが「繊維廃棄物」として処理され、地球環境に大きな負荷を与えているのです。
こうした状況を変えようとするのが、PANECO®です。彼らは、捨てられる運命にある衣類を「本当にゴミ」と言えるのでしょうか?という疑問を投げかけ、衣類を都市資源へと変える未来を提案しています。
PANECO®とリサイクル建材『PANECO® board M』
PANECO®が開発した『PANECO® board M』は、使われなくなった衣類や繊維端材から作られた環境配慮型のリサイクル建材です。この製品は特許技術に基づいて製造されており、廃棄衣類は建材や内装材、さらには家具や什器、プロダクトなどとして再生されます。そして、その製品は再び原料として戻すことができる「水平リサイクル」を実現しています。
なぜ「建材」なのか?
建築・都市開発は、資材やエネルギーの消費が非常に多く、環境負荷も高い分野です。そのため、ここでこそ「捨てられるはずの衣類」を再利用する意義があるのです。PANECO®が目指しているのは、単なる素材変換にとどまらず、都市全体の循環型システムの構築です。
量産体制が始動
現在、PANECO® board Mの量産体制が始まりました。開発を手掛けるのは株式会社ワークスタジオ(東京都新宿区)、販売を担当するのはモリリン株式会社(愛知県一宮市)、製造はホクシン株式会社(大阪府岸和田市)が行います。2026年初頭には試験的な量産を開始する予定です。
製品概要
- - 製品名: PANECO® board M
- - 原料: 廃棄衣類繊維 51% / 廃棄木材 49%
- - サイズ: 最大 1,240mm × 4,060mm / 厚さ 最大30mm
- - 用途: 建材・内装材・家具・什器・プロダクトなど
- - 特徴: 高い意匠性、木質繊維板と同様の加工性、再リサイクル可能
導入実績と受賞歴
すでに2021年から『PANECO® board S』において、多様な projでの導入が実現しています。商業施設やオフィス、アートプロジェクトなど、幅広い用途で採用されています。また、次の受賞歴があります。
- - 第46回繊研新聞『繊研賞』受賞
- - 第25回グリーン購入大賞『大賞』受賞
- - 第21回勇気ある経営大賞『特別賞』受賞
共創パートナーを募集
PANECO®は、循環型建材の社会実装に向けて共に取り組むパートナーを募集しています。建築業界や家具メーカー、小売業者など、様々な分野での協力を求めています。共に新しい都市の形をデザインしましょう。
連絡先
共創や導入についてのご相談は、以下の方法でお問い合わせください。
公式サイト:
PANECO®
結論
『PANECO® board M』を通じて、捨てられた衣類が新たな都市資源となり、都市全体が循環するシステムを作ることがPANECO®の目指す未来です。私たちが共に行動を起こすことが、持続可能な社会の実現に近づく第一歩となるでしょう。