モクタスキューブの挑戦
2025-11-06 14:36:33

東急建設が提案する「モクタスキューブ」で災害対策と環境への配慮を同時実現

東急建設が提案する「モクタスキューブ」とは



一般社団法人日本モバイル建築協会が中心となり、災害備蓄に革命をもたらす取り組みが進められています。それが、可搬型木造建物「モクタスキューブ」。この建物は、平時には事務所や店舗として利用しながら、災害発生時には即座に応急仮設住宅として機能します。その背景には、国内での頻発する大規模災害への対応が求められているという現実があります。

モクタスキューブの特徴


「モクタスキューブ」は、平常時と有事の両局面で活躍することをターゲットにした建物です。平時には、木の温もりを感じることができる快適な執務空間を提供。具体的には、1ユニットあたりの面積は15㎡で、都内の建設現場では、3ユニットを連結した2階建ての施設として機能しています。加えて、一般の木造住宅と同等の耐震性や遮音性能、高い断熱性(UA値0.6以下)をも備えており、居住性は非常に高いです。

そして、有事においては、被災地からの要請に応じて、これらの建物を迅速に移設し、応急仮設住宅として提供します。このシステムは、大型トラックを使って搬送が可能で、現地では少人数で短期間に設置できるため、スピーディな対応が可能です。

これにより、災害時の住環境の提供を迅速に行う「社会的備蓄」の実現に大きく貢献しています。

東急建設の積極的アプローチ


東急建設は、令和6年に発生した能登半島地震において、この「モクタスキューブ」を復興支援者用の宿舎や輪島塗仮設工房として活用しました。この体験から、発災後に作るのではなく、あらかじめ作って備蓄し、平時にはどのように効率的に使うかが重要であることを痛感しています。

そのため、同社はこの「モクタスキューブ」を自社の現場仮設事務所として導入する決定を下しました。2025年8月には、最初の建物を都内の建設現場へ設置。さらに、2023年10月末には静岡県の現場にも第二棟目を設置予定です。このように、地域のニーズに応じた迅速な対応が期待されています。

建設業と災害備蓄の新しい形


一般社団法人日本モバイル建築協会は、この取り組みを「社会的備蓄」の一つの先進的なモデルとして評価しています。平時には建設業の環境改善に寄与し、有事にはすぐに社会貢献にシフトできるという柔軟な取り組みは、今後の災害対策における理想型と言えるでしょう。また、建設現場での使用が終わった後も、解体せずに次の現場へ移設可能で、リユースすることができます。これにより、廃棄物ゼロの方針に基づいた持続可能な社会の実現にも寄与しているのです。

未来に向けた社会の作り方


当協会は、引き続き、会員企業や関係機関と連携しながら、災害に強い未来のまちづくりに貢献していく姿勢を示しています。この「モクタスキューブ」は、使って備える新しい発想から生まれた持続的なソリューションであり、これからの社会において重要な役割を果たすことが期待されています。


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