医師の新たなキャリアの形
最近、医師の働き方に変化が訪れています。株式会社メディウェルが行った全国規模の調査によれば、病院以外での医師のキャリア選択が増えてきており、その要因や実態について掘り下げてみました。
 調査概要
この調査は、2025年6月21日から30日にかけて行われ、1,923名の医師が回答しました。候補として挙げられたのは、健診施設、在宅医療クリニック、自由診療クリニック、産業医、介護老人保健施設(老健)など様々です。
 病院外勤務を選ぶ理由
医師が病院外での勤務を選ぶ理由は、主に以下の2つに分けられます。
1. 
生活の質(QOL)の向上:当直がなく、プライベートな時間を確保しながら働けるメリットがあります。
2. 
給与面の改善:病院勤務と比較して給与が高いケースが多く、特に産業医としての勤務が良い条件であるとの声が目立ちました。
多くの医師が、「産業医」の仕事に対する満足度が高いと回答しています。一般企業での勤務は福利厚生が充実しており、勤務時間も整っているため、安定した生活が可能です。 
 医師の働きやすさを実感
調査では、医師たちが病院外での勤務においてさまざまな体験をしており、特に「健診施設」や「自由診療」においては緊張感が少なく、プレッシャーが軽減されるとの意見が多数寄せられました。医師の心理的負担が軽くなることは、精神的にも非常に重要な要素です。
一方で、病院外での勤務にはデメリットも存在します。特に「臨床からの離脱」という点が多くの医師から指摘されています。一般診療や検査のみを行う健診施設や老健では、手術や治療に関与しないため、医師としてのやりがいが薄れるという声が聞かれました。
 メリットとデメリット
病院勤務と病院外勤務のメリット・デメリットについて整理すると、次のようになります。
 メリット
- - 働きやすい環境:当直がないため、ワークライフバランスが向上。
- - 給与の充実:同じ医師であっても、病院外の方が払われる報酬が高い。
- - プレッシャー軽減:精神的な負担が少なくなることで医師自身の健康も守れる。
 デメリット
- - クリニック勤務の単調さ:患者の数が多くなく、経験が少ないため新しい技術の習得が難しい。
- - 臨床への復帰が難しい:一度病院外に出ると、急性期医療に戻ることが難しくなる場合があります。
- - 医療技術のアップデート機会の減少:最新の治療法から遠ざかるリスクが伴う。
 まとめ
病院以外での医師の働き方は年々増加しており、医師たちはその中で自分に合ったキャリアを模索しています。病院勤務には多くの課題がある一方、病院外の働き方には多くのメリットがありますが、それぞれの道にはデメリットも存在します。そのため、自らのライフスタイルと照らし合わせながらキャリアプランを考えることが重要です。医師としての使命感を持ちながらも、より充実した人生を送るための選択肢の一つが、病院外での勤務なのでしょう。 
今後の働き方についての議論が進む中、医師たちがどのような道を選んでいくのか注目です。
 
 
