新型貨物機A350F メインデッキカーゴライナーの登場
住友ベークライトのグループ企業であるVaupell Industrial Plastics, Inc.は、Airbus社の新型貨物機A350Fのメインデッキカーゴライナーの量産出荷を2025年9月から開始すると発表しました。今回の動きは、航空業界における需要の高まりに応じたもので、特にeコマースの拡大が影響を与えています。
新しい時代の航空貨物
コロナパンデミックによる影響から回復中の現在、世界中での旅客機需要は以前の水準を超えると見込まれています。それに加え、インターネットを介した商取引が増加した結果、貨物機の重要性も高まっています。このような時代背景の中、当社が持つ航空機内装部品事業は、新たなビジネスチャンスを獲得する絶好の機会となっています。
一貫生産体制の確立
Vaupellのカーゴライナーは、マレーシアに新たに設置した生産ラインで製造されています。この生産ラインはSNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.によるもので、樹脂技術を駆使して設計されています。ここでは、熱硬化性樹脂複合材のラミネート技術を用い、最終的にはVaupellが持つ射出成形や塗装、組み立て技術を融合させています。これにより、カーゴライナーの製造過程が一貫して行われるようになりました。
サプライチェーンの最適化
生産した部品は、Vaupellの中国拠点(Dongguan)でさらに加工され、最終的にドイツのVaupell Europe GmbHに集約されます。ここで組み立てられた最終製品は、Airbus社へ納品されます。これらのプロセスを通じて、Vaupellは航空業界の各種認証基準を満たす高品質な製品を提供しています。
今後の展望
Vaupellは、樹脂技術と航空業界で要求される製造・組立技術を組み合わせることで、Airbus社とのパートナーシップをさらに強化し、事業の拡大を目指しています。新型A350Fのカーゴライナーは、その第一歩としての重要なポジションを占めることになるでしょう。
会社概要
Vaupell Industrial Plastics, Inc.
本社:USA, Everett, 11323 Commando Rd West
拠点:米国、中国、ドイツ
Vaupellは、商用航空宇宙アプリケーション用の樹脂から航空機内部サブアセンブリまで、多岐にわたるエンジニアリングソリューションを提供するグローバルなサプライヤーです。
SNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.
本社:マレーシア, Pasir Gudang, PLO 38
SNCは、航空機内装材などの製造・販売を行っており、事業の多角化を進めています。これにより、航空業界での存在感を高めています。
お問い合わせ
本件に関する詳細は、住友ベークライト株式会社にお問い合わせください。電話番号は03-5462-4241にて承っており、オンラインのお問い合わせフォームも利用可能です。
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