SHIROが制服を再生
2025-11-19 15:54:20

廃棄予定の制服が甦る!SHIROの挑戦とその秘密に迫る

SHIROの新たな挑戦:廃棄予定の制服に命を吹き込む



SHIROは廃棄が予定されていた制服を、天然素材で染め直すことで新たな命を与えることを始めました。このプロジェクトは、広島のミナモア店スタッフが着用していた藍染の制服を皮切りに、不要となった制服に個性を持たせる試みとしてスタートしました。これにより、たくさんの廃棄予定の制服が世界に一つだけのユニークな形に生まれ変わっています。

熟成された制服たちが新たな命を



倉庫には大量の廃棄予定の制服が積まれていました。この制服たちを染め直す作業には、北海道札幌に拠点を置く「野口染舗」の野口繁太郎氏が関わっています。彼の手によって、天然素材で染められた全く新しい色を持った制服たちがつくられることになりました。

着物の文化的なバリューを理解し、大切に使い続けることができるという点で、野口さんとSHIROには多くの共通項があります。野口さんは「自然素材を使い切る」という理念に共感し、汚れた制服に天然染料で新たな色を吹き込むその挑戦に向き合いました。

天然染料での挑戦の背景



制服の染め直しは通常新品の繊維に対して行われるため、着古された制服での挑戦は非常に難しいものでした。制服にはポリエステルが30%含まれ、これが天然染料が浸透する上での障害となっていました。実際に汚れも多く存在していたため、当初は化学染料での染色が提案されましたが、SHIROの理念により、天然染料での染色が選択されました。

野口さんは3ヶ月にわたり、ドライクリーニングや水洗い、さらには特別な下準備を行いました。彼が使用した7種類の天然素材は、各々が北海道の自然に根ざしたもので、食材や地域資源の廃棄物を有効利用するという視点から選ばれています。特に、SHIROの製品から出た白樺とヨモギの廃液を活用することで、濃淡のある美しい色彩が実現しました。

具体的に使用された天然素材の紹介



今回の染色プロジェクトで使用された天然素材の一部を紹介します。
1. ブドウ果皮:小樽のオサワイナリーでロゼワインを作る際に出る果皮。
2. コーヒー豆:地元のリトルフォートコーヒーからの規格外の豆。
3. 白樺の枝:SIRACAの間伐材。
4. 白樺の廃液:白樺の葉の蒸留過程で発生。
5. ヨモギの廃液:ヨモギを蒸留した際の廃液。

これら多種にわたる天然素材が利用されることにより、いずれも本来なら廃棄されてしまったものに新たな価値が加えられました。

進化する制服のかたち



2025年6月末にオープンした渋谷PARCO店では、スタッフ一人ひとりが自分の好みの染め直した制服を選ぶことができるスタイルが採用されています。他の店舗でも、まずは店舗の店長から新しい制服が着用されており、今後は徐々に全スタッフがこの新しい制服にシフトしていく予定です。

今後の展開として、これらの制服にはワッペンやパッチワークが施される可能性もあり、個性豊かなデザインがさらに発展することでしょう。各自の個性を反映すると同時に、制服全体に新しいストーリーを与えることが目標です。

SHIROの循環への取り組み



SHIROは2023年に「SHIRO 15 年目の宣言」を表明し、廃棄物ゼロを目指す取り組みを進めています。この制服の再構築プロジェクトも、その理念に基づいた一歩を歩み出しているのです。新しいものをつくるのではなく、今すでにあるものに目を向け、有効利用することで、地球環境への負担を減らすことがSHIROの目的です。

これからもSHIROは、創造力をもって物作りに挑みながら循環する未来を築いていくことでしょう。彼らの取り組みは、単なるファッションを超えて、持続可能な社会を実現するための一つの方法論を示しています。


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