森林循環経済の未来を描く
2025年8月5日、小宮山宏氏が編著した書籍『森林循環経済』が平凡社から発売されます。本書は、未来の日本における森林資源の活用方法を新たに提案し、循環型社会の実現に向けた具体的なビジョンを示します。
新しい国家ビジョンの確立
本書は、プラチナ森林産業イニシアティブが設定した「ビジョン2050日本が輝く、森林循環経済」を基にしています。このビジョンは、森林資源を経済・産業・地域・政策の中心に据え、持続可能な社会の実現を目指します。著者は、「伐って、使って、植えて、育てる」という循環を通じて、日本を「資源自給国家」として再生する道筋を具体的に描いています。
三つの柱で築く循環社会
本書では、日本が直面する国家的課題に対して、循環に基づいた社会の再設計を提唱しています。その鍵となるのは、以下の三つの柱です。
1.
バイオマス化学への転換
化学産業において、化石資源をゼロ化することを目指します。バイオマス資源を活用することで、持続可能な化学産業の実現を図ります。
2.
木造都市の形成
9階建て以下の建築物を木質化・木造化し、持続可能性のある都市環境を作ることを提案しています。これは、自然との共生を実現する一つの形でもあります。
3.
林業の革新
従来の3倍規模の面積での主伐と再造林を推進し、森林資源の循環を加速させる計画です。これにより、地方創生にも寄与することが期待されています。
書籍の構成とコラムの紹介
『森林循環経済』は、以下の内容で構成されています。
- - 第1章: 日本の森林が支える循環社会
- - 第2章: 森林循環経済論(1)バイオマス化学の可能性
- コラム: 阿尻雅文氏による「バイオマス資源を核にした企業と社会の大変革」
- - 第3章: 森林循環経済論(2)新しいまちのかたち──木造都市
- コラム: 株式会社シェルターの「木造都市」を全国につくる!
- - 第4章: 森林循環経済論(3)森林・林業の革新に向けて
- コラム: 小林靖尚氏の「出発点としての山林、その経営と課題」
- 特別対談: 立花敏氏と小宮山氏による「経済としての森林文化」
多彩な視点から、臨場感のある議論が展開される内容となっており、読む人に新しい発想を提供する一冊です。
書籍情報
編著者の小宮山宏氏は、東京大学で長年教授として、また様々な理事長を務めた教員でもあり、多数の受賞歴を持つ方です。彼の豊富な知識と経験から生まれた本書は、森林経済の重要性を再認識させることでしょう。
- - 著者: 小宮山 宏
- - 出版社: 平凡社
- - 判型: A5判、176ページ
- - 定価: 1,980円(本体1,800円+税)
- - 刊行日: 2025年8月5日
- - 販売: 全国の書店および平凡社・Amazon等のネット書店にて取り扱い
この書籍は、我々が抱える環境問題への理解を深めるために、非常に貴重な資料となるでしょう。持続可能な社会の実現に向けて、ぜひ手に取ってみてください。