旭日電気工業がAI積算ツールの導入で業務改革
1. 業界の現状と課題
電気設備工事業界では、積算業務が多くの工数とコストを伴う作業として知られています。特に、「拾い作業」と呼ばれる図面から部材を数えるプロセスは、専門知識を必要とし、高い精度が求められます。これが時間と手間を取る一因となり、業界全体の生産性向上の妨げになっています。
2. AI積算ツールの概要
旭日電気工業株式会社は、東京大学発のスタートアップ企業、株式会社PrefabのAI積算ツールを導入しました。このツールは、工事図面をアップロードするだけで、照明、コンセント、配線などの部材の数量を自動的に抽出し、電子的な材料表を生成します。これにより、これまで手作業で行っていた拾い作業が大幅に効率化されるのです。
3. 導入による効果
AI積算ツールの導入によって、従来のように多くの工数を要していた拾い作業が、なんと約80%も削減される見込みです。具体的には、ダブルチェックや細部の拾い出しも自動化され、最終確認を人間が行うとしても、圧倒的に少ない工数で済むようになります。これにより、担当者は積算の妥当性や工法の判断といった、より価値の高い業務に力を注ぐことができるのです。
4. 今後の計画と展望
導入後まずは、電灯・コンセントおよびその配線の数量拾いの自動化を進め、その後、幹線や弱電設備などへと対応する領域を拡大していく計画です。また、Prefab社とのパートナーシップを強化し、同社の技術やノウハウを活用しながら、社内の業務全体の効率化を加速させていく方針です。
5. 株式会社Prefabの会社概要
株式会社Prefabは、「すべての人が本来発揮すべき価値に集中できる社会を創る」というビジョンを掲げ、建設業界特化のAI技術の研究開発を行っています。スタートアップならではのスピード感と先端技術を武器に、業界の課題解決に挑戦しています。
6. まとめ
旭日電気工業のAI積算ツール導入は、従来の業務を大きく変革し、効率化を実現するのみならず、担当者の働き方にも好影響を与えることが期待されます。今後の展開にも注目が集まる中、積算業務の未来がどのように変わっていくのか、業界の動向から目が離せません。