2025年生命保険満足度調査結果の発表
株式会社J.D. パワー ジャパンが2025年の生命保険保全手続満足度調査を行い、その結果を発表しました。この調査は、直近1年以内に生命保険の保全手続きを行った顧客を対象に実施されています。今年の総合満足度は663ポイントとなり、前年の655ポイントから8ポイントの向上を見せました。この結果は、2016年にランキングが公表されて以来の過去最高値で、特筆すべき快挙です。
顧客満足度の向上要因
満足度向上の要因として、ファクター別に見ると、「連絡・案内」が11ポイント、「顧客対応」が8ポイント、「手続・書類」が6ポイントの向上を記録しました。特に注目すべきは「顧客対応」で、顧客が利用する「ホームページ」と「コールセンター」の評価がそれぞれ14ポイントの上昇を見せたことです。一方で「担当者」の評価は4ポイントの上昇にとどまりました。
情報提供の課題
しかし、全体としての評価が改善している一方で、生命保険会社からの情報とサービス提供には課題が見られます。顧客への役立つ情報とサービスが不十分であるという声も上がっており、特に「加入している生命保険に関する契約内容の確認」「請求方法の資料」などにおいては約80%の顧客が「役立っている」と評価していますが、「今後の資産形成やライフプランニング」「健康増進の支援サービス」などについては約50%の顧客が「役立っていない」と回答しています。
この結果は、生命保険会社が提供する情報が顧客のニーズに合致していないことを示唆しており、今後の改善が急務となっています。さらに、顧客が意見を伝えられる相談窓口の役立ち度についても、4割経る顧客が「役立っていない」という認識を示しており、これもまた改善の余地があるエリアです。
現在のランキング
2025年の調査において、総合満足度のランキングは以下のようになっています。
10年連続で総合満足度第1位を獲得。顧客対応、連絡・案内、手続・書類の全ファクターで最高評価。
- - 第2位:ソニー生命(698ポイント)
- - 第3位:三井住友海上あいおい生命(696ポイント)
調査の実施概要
この調査は、毎年行われており、過去14回目を迎えます。調査期間は2024年11月中旬から12月上旬まで、調査方法はインターネットを通じて行われ、7,097人の生命保険契約者が参加しています。
総合満足度に影響を与える要素は、「顧客対応」(43%)、「連絡・案内」(37%)、「手続・書類」(21%)であり、顧客の評価にもとづいてスコアが算出されています。さらに、顧客満足度に影響を与えるこれらのファクターは、今後の生命保険業界の改善や成長に向けた重要な指標です。
まとめ
J.D. パワーの2025年生命保険保全手続満足度調査は、生命保険業界のトレンドを把握する貴重なデータを提供しています。顧客満足度の向上は達成されていますが、更なるサービス向上と顧客のニーズに合致した情報提供が求められる状況です。業界が顧客の声に耳を傾け、革新を進めることが期待されます。