TVerにおけるAI導入の進展
国民的なテレビ配信サービス、TVerは、最近カスタマーサポート向上のためにオペレーター支援AIエージェント「KARAKURI assist」の導入を決定しました。この新しい取り組みの背景には、急増するユーザーからの問い合わせに迅速かつ一貫性のある対応が求められているという現実があります。
導入の理由
2025年1月、TVerの月間ユニークブラウザ数は4,120万人に達し、前年同月比で117%の急成長を遂げます。この成長は、ドラマ、バラエティ、スポーツ、アニメなど多様なコンテンツが視聴者層を拡大した結果です。その影響でカスタマーサポートへの問い合わせも急増し、効率的な対応体制の構築が必要となりました。
TVerのカスタマーサポートチームは4–5名の外部ベンダーとともに運営されていますが、いくつかの課題にも直面していました。オペレーターごとの対応のばらつき、参照する情報源の散逸、追跡が困難な従来型の問い合わせツールなどがその例です。これらの問題を解決するために、KARAKURI assistが導入されることとなりました。
KARAKURI assistの機能
KARAKURI assistは、カスタマーサポート業務向けに設計された生成AI搭載の支援ツールであり、次のような機能を活用しています。
- - 高度な検索機能: タグやあいまい検索に対応し、オペレーターが直感的に必要なナレッジを検索可能。
- - ショートカットキー: 簡単な操作で必要な情報をすぐに引き出せ、業務効率が向上。
- - 過去事例の参照: 類似事例を瞬時に確認でき、一貫した対応が可能に。
- - 生成AI機能: センシティブな問題に対する文面作成もサポート。
導入から約1-2ヶ月後、ナレッジの選択ミスによる案内の誤りがゼロになり、その効果は明確に表れ始めました。サービスの急成長による機能や仕様の頻繁な更新にも、最新情報に基づいた対応を行うことが可能になっています。
成果と今後の展望
TVerのコーポレートコミュニケーション部の堀本 麻未氏は、KARAKURI assistの導入による最大の効果はナレッジの検索性向上だと述べています。以前のように情報を探し出すのに苦労せず、必要な情報にすぐアクセスできるようになったといいます。これにより、問い合わせ対応は単なる業務の一部ではなく、ブランド価値を左右する重要な機会となりました。
これからは過去の対応事例やナレッジを活用し、ユーザーの声を正確に収集、分析し、サービス企画へフィードバックする役割も担いたいと考えています。
結論
急成長を続けるTVerのカスタマーサポートは、KARAKURI assistによってより質の高いサービスを提供できる体制を整えつつあります。AIの導入がもたらす効率化と一貫性は、今後のユーザー体験を確かなものにするでしょう。今後の展開に目が離せません。