デクセリアルズ、譲渡制限付株式報酬で自己株式を処分
デクセリアルズが取り組む譲渡制限付株式報酬の概要
デクセリアルズ株式会社が、2025年7月31日付けで自己株式を処分することを決定しました。この処分は、経営幹部候補として採用された従業員に対する株式報酬制度の一環として行われます。具体的な内容を見ていきましょう。
処分の詳細
本自己株式処分は、合計で18,666株の普通株式が対象となり、1株あたりの処分価格は2,143円です。これにより、処分総額は約4000万円に達します。処分先はデクセリアルズの子会社の従業員2名で、これにより彼らには企業価値向上のためのインセンティブが提供されます。
株式報酬制度の背景
この措置は、グループ全体の企業価値を持続的に向上させることを目的とした譲渡制限付株式報酬制度によるもので、制度の導入自体は早くから行われていました。これにより、同社は株主と従業員との価値共有をさらに進める狙いがあります。
譲渡制限期間の設定
今回の株式の譲渡制限は、2025年7月1日から2028年6月30日までの3年間に設けられます。この期間中は、対象者が株式を譲渡したり、その権利を設定することができず、誕生贈与や遺贈など、他の処分行為も禁止されます。これにより、長期的な企業貢献を促進しようとしています。
無償取得と譲渡制限解除
もし割当対象者が、譲渡制限期間の満了前に退職や退任した場合、デクセリアルズは該当する株式を無償で取得できる権利を持ちます。また、期間が満了した際に対象の株式が譲渡制限の解除事由に該当しない場合も、無償で取得されることになります。これにより、従業員が会社に留まるインセンティブを強化しています。
組織再編時の特別措置
さらに、デクセリアルズは、組織再編が行われた場合でも、特定の条件を満たすことで譲渡制限が解除される仕組みを設けています。これにより、企業の戦略的な動きにも柔軟に対応できるようになっています。
株式発行の市場価格
株式の発行価額は、決議日の前営業日の東京証券取引所での終値を基に算出されています。具体的には、2025年6月23日の株価2,143円が目安です。この価格は、特に有利なものではなく、恣意性を排除した適正な市場価格です。
まとめ
デクセリアルズの譲渡制限付株式報酬制度は、従業員にインセンティブを与え、企業価値の向上を目指す重要な施策です。適切に設計されたこの制度は、従業員のモチベーション向上と企業全体の成長に寄与することでしょう。今後もこの動きがどのように発展していくのかに注目です。