新たな技術導入で施工の安全性が向上
太陽工業株式会社と東亜建設工業株式会社は、共同開発した新しい技術『シート製減揺タンク』を、令和6年度の伏木富山港岸壁工事にて初めて現場に導入しました。この技術は、浮遊ケーソンの動揺を抑えるために設計されており、より安全で効率的な施工を可能にします。
技術の背景と必要性
近年、港湾施設における国際物流ターミナルの整備や防災対策が進む中、ケーソンの大型化が進んでいます。その結果、従来の鋼製タンクによる施工方法では浮遊ケーソンの不安定さが問題視されていました。特に波の影響で作業員の安全が脅かされ、作業工程が制約される可能性が強まっています。そこで、東亜建設工業はこれらの課題を解決するために、『減揺タンクによる浮遊ケーソンの動揺低減技術』の研究に取り組んできました。
太陽工業の膜構造のデザイン・加工技術を取り入れることで、今回、新たに『シート製減揺タンク』が開発されました。これにより、従来の鋼製タンクに比べて施工性が大幅に向上しました。
導入による具体的な効果
伏木富山港での実施にあたり、シート製減揺タンクを使用した結果、いくつかの成果が確認されました。具体的には、
1.
動揺低減効果: シャトル船による吊り作業だけでなく、タンクの効果により、ROLL(横揺れ)やPITCH(縦揺れ)をほぼ20%低減しました。
2.
施工の省力化: シート素材の特徴を活かし、タンクの設置や撤去作業の効率が大幅に改善されました。
3.
安全性の向上: 動揺が抑えられたことで、施工工程が円滑に進むようになり、安全に完了することができました。
今後の展望と影響
太陽工業は、これらの実績をもとに、海洋土木分野での膜構造技術の展開を加速させる考えです。特に、大型ケーソン施工や長距離航行が求められる港湾工事において、さらなる安全性向上や工期短縮に寄与することが期待されます。
太陽工業について
太陽工業は、創業100年を超える歴史を持つ、膜面構造物のリーディングカンパニーとして知られています。1970年の日本万国博覧会では、初めて空気圧を利用した屋根を実現しました。その後も、様々な大型プロジェクトに関与し、世界中で高く評価されています。2025年大阪・関西万博においても、数多くのパビリオンに関与し、社会のインフラ整備に貢献しています。
今後も「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」という理念のもと、さらなる革新を目指して、多くの人々に安全で安心な社会を提供していくことでしょう。