テレワーク新技術
2025-09-22 13:43:04

テレワークの孤独を解消する新技術の研究発表

テレワークの普及に伴い、業務の柔軟性が高まる一方で、従業員の孤独感や連帯感の欠如といった心理的な問題が浮き彫りになりました。特に新型コロナウイルスの影響で、多くの人々がリモートでの勤務に切り替え、これまでのオフィス勤務と比べて、人とのつながりを感じにくい状況が増えました。このような背景の中、株式会社ZENKIGENが、テレワークにおける新しい解決策を提案しました。

株式会社ZENKIGEN(以下、ZENKIGEN)は、東京都港区に本社を構える企業で、テレプレゼンスを活用した新技術の研究を行っています。特に注目されたのは、ZENKIGEN Labの橋本一生が中心となって執筆した論文が国際的な査読付きジャーナル「IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering」に掲載されたことです。本研究は、青山学院大学と共同で行われ、リモートワーク時の連帯感の向上とプライバシーの保護という二つの課題に取り組んでいます。

研究の背景


リモートワークの普及によって、社員同士のつながりが希薄になり、心理的な問題に直面するケースが増えています。これに対処するため、テレプレゼンスシステムが利用されることが期待されていますが、全ての映像や音声をそのまま共有することにより、業務の妨げやプライバシー侵害といった問題が生じることもあります。このようなトレードオフの中で、従業員が「誰かと一緒にいる」と感じられる環境を作り出す方法が求められていました。

研究内容と主な成果


本研究では、リモートワークの環境を模擬した実験を実施し、5種類の異なる映像条件が従業員の連帯感や主観的な作業効率に与える影響を深く分析しました。そこで得られた主な結果は以下の通りです。

1. 匿名化映像の効果: 特に注目すべきは、個々の顔や衣服が特定できないようにディープフェイク技術を駆使し匿名化した映像が、従業員の連帯感を有意に向上させることが確認された点です。映像を全く共有しない条件と比較して、テレプレゼンスを通じて「誰かと一緒に働いている」と感じられる効果に繋がりました。
2. 作業効率への影響はなし: どの条件でも、参加者の主観的な作業効率に顕著な違いは見られず、設計されたテレプレゼンスシステムが仕事の邪魔にならない可能性も示唆されています。
3. 違和感の問題: 匿名化処理を施した映像は、元の映像に比べ参加者に違和感や煩わしさを強く感じさせることも判明しました。この課題を解決するための研究も今後の重要なテーマとなります。

今後の展望


ZENKIGENの研究によってプライバシーに配慮しながらも、「匿名ライブ映像」をテレプレゼンスに応用する新たな技術の開発が進むことが期待されます。これにより、チームの一体感を自然に高めることができ、リモートワークの未来が変わる可能性があります。

ZENKIGEN Labの橋本一生によると、「出社回帰の動きが見られるものの、育児や介護といった理由でリモートワークが必要な人々は多くいます。この研究は、個々の事情に寄り添いつつ、チームとしての結束を促進する新しい働き方を提案する大きな一歩です」と述べています。

企業情報


ZENKIGENは、「テクノロジーを通じて人と企業が全機能できる社会」の実現に向け、挑戦を続けています。2017年に設立され、AIと生成AIの技術を活用した採用DXサービス「harutaka」を提供しており、700社以上の導入実績を誇ります。今後もテクノロジーの力を使って、様々な働き方を支援する方針です。


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