AIストームがWi-Fi 7ルーター360台受注
AIストーム株式会社は、自社開発のWi-Fi 7対応ルーター「GT-W780」を全国で360台受注したことを発表しました。この受注は、来場者やスタッフの接続体験の向上を目指すもので、高密度な環境でも安定して通信が可能な点が注目されています。
背景と市場動向
今日、多くの職場や各種施設ではWi-Fi 6およびWi-Fi 6Eが主流ですが、Wi-Fi 7はその最先端技術として急速に広まっています。Wi-Fi Allianceは2024年1月に「Wi-Fi CERTIFIED 7」を開始する予定であり、2025年には正式にIEEE 802.11beが発表されることになっています。実際、世界の企業向け無線LAN市場では、すでにWi-Fi 7がコントローラ管理下のアクセスポイントの売上の約2割を占めています。
なぜWi-Fi 7が必要か
Wi-Fi 7は最大320MHzの広帯域とMLO(マルチリンクオペレーション)を特徴としており、多くのデバイスが接続される混雑した環境でも、高速かつ安定した通信を提供します。この特性は、特にイベント会場や大型商業施設、空港、オフィスなど、多数の人やデバイスが利用する場面で非常に有効です。
近年、インターネットの利用スタイルが変化する中で、より速く、途切れにくい通信が求められており、Wi-Fi 7への需要は今後も増え続けるでしょう。AIストームではすでに、観光地や商店街、病院、大学などでの導入実績があります。
受注の詳細
今回の受注は、全国で展開される公衆Wi-Fiサービスの標準機種として、Wi-Fi 7ルーター「GT-W780」が採用された結果です。また、他の企業からの注文も含め、合計360台の受注が決まりました。このルーターは、来場者数が多い環境での安定した通信を目的としたもので、納入と設置が順次進められています。
運用面では、クラウド管理や遠隔監視が可能で、さまざまな規模の展開に対応しています。特に短期間の大量展開や常設利用まで、効率的な運用体制を実現しています。
今後の展望
AIストームは、Wi-Fi 7を基盤として、導入の拡大、運用サービスの提供、共同展開という三つの柱で事業を進める予定です。具体的には、イベント会場や商業施設、空港、駅、工場など、高密度アクセスが必要な場所への導入をさらに加速させます。また、OpenRoamingなどのパートナーシップを強化し、観光地や商店街などでのシームレスな接続体験の拡充を目指します。
最終的には、「速く、切れない」というネットワーク環境を社会の標準にし、企業価値の拡大を図る考えです。AIストームは、Wi-Fi 7を成長エンジンとし、時価総額500億円を目指しています。
会社概要
AIストーム株式会社の正式名称は旧株式会社ジェクシードで、東京都千代田区に本社を構えています。代表取締役社長は今井俊夫氏で、AI技術や教育、プロダクト開発、IT機器販売を主な事業としています。公式ウェブサイトには、より詳細な情報が掲載されています。