マイナンバーカード利用拡大の未来を探る実証実験の報告

マイナンバーカードを活用した在学資格証明のデジタル化実証実験

2025年3月28日、デジタル庁は「マイナンバーカード利活用：在学資格証明デジタル化実証実験」に関する共同発表会を開催しました。岸デジタル大臣政務官が登壇し、デモンストレーションを視察しました。この取り組みは、マイナンバーカードを用いてオンラインで資格証明を行う試みであり、デジタル社会の実現に向けた重要なステップと言えます。

実証実験の概要

デジタル庁はマイナンバーカードを利用して、在学資格証明をデジタル化することを目指しています。近年、オンラインでの本人確認や資格証明のニーズが高まってきており、このニーズに応える形で実証実験が行われました。主な目的は、証明書発行機関と検証機関の省人化を進めることで、利用者がより便利にサービスを利用できるようにすることです。

現在、在学証明書は通常、有人の窓口での発行が必要で、時間や場所に制約があるため、利用者にとっては煩雑な手続きとなっています。デジタル化が進めば、ユーザーはいつでもどこでも申請が可能となり、紙の書類を持ち歩く必要もなくなります。また、証明書発行の業務においても効率化が期待され、非対面での手続きが可能になります。

デモンストレーションの内容

今回のデモンストレーションでは、学生が在学証明をデジタルで受け取るプロセスが実施されました。具体的には、学術機関との連携により、学生の確認後にデジタル在学証明書をVerifiable Credentials（VC）として発行します。その後、西日本旅客鉄道株式会社が運営するサービス上で、発行されたVCを用いて学割チケットを取得し、実際に改札を通る様子が視察されました。この流れは、今後の利用拡大に向けての実現可能性を示すものであり、社会における新たなデジタルサービスの先駆けとなるものでしょう。

岸デジタル大臣政務官は、「マイナンバーカードを活用したオンラインでの資格証明のニーズが高まっており、今後の利用拡大に向けてユースケースを模索することが重要です」と述べ、将来的には複数の大学や交通機関でもこの取り組みの進展が期待されると強調しました。

未来に向けて

今回の実証実験は、マイナンバーカードを通じて行政効率化と利用者の利便性向上を実現するための重要な一歩です。デジタル化が進む中、効率的で快適なサービス提供が求められる現代社会において、こうした取り組みが広がっていくことが期待されます。今後の進展に注目し、私たち住民にどのような恩恵がもたらされるのかを見守りたいと思います。

これらの活動を通じて、デジタル庁は今後も先進的なDX施策を推進し、より良いデジタル社会の実現に向けた取り組みを続けていくことでしょう。