会計事務所の連携を強化する一般社団法人設立の背景と目的

2024年12月、東京都中央区にて、一般社団法人「会計事務所連携協議会」（略称：会計連）が全国の有力な会計事務所17社によって設立されました。この新たな団体は、会計事務所間の連携促進を通じて、業界全体の価値を一層高めることを目指しています。

設立の背景

近年の新型コロナウイルスの影響を受け、会計事務所は中小企業に対する補助金の受給支援や、新たに導入されたインボイス制度への対応に取り組むなど、社会のインフラとしての役割を果たしています。しかし、各事務所が孤立して事業を進める現状では、連携の不足が業界の発展を妨げているという認識が高まっています。

特に、テクノロジーの進化により自動化が進む中で、会計事務所には人を中心にした付加価値の提供が求められています。同時に、人材の採用と育成においても、個々の事務所が独自に取り組むため、業界全体としてのブランド力向上が課題となっていました。

連携協議会の目的

これらの課題を解決するべく、会計事務所連携協議会では、以下のような取り組みを行うことになっています。特に、業界のブランドイメージを向上させることや、人材の確保・育成に力を入れていく方針です。

1. 業界イメージの向上
会計事務所業界全体の価値を引き上げ、市場での競争力を強化します。

2. 人材育成の支援
若手人材の採用や育成を促進し、次世代の会計士を応援します。

3. テクノロジーの導入支援
最適なテクノロジーの活用方法を研究し、会計業務の効率化に寄与します。

4. 情報交換の活性化
会計事務所運営に関する情報を共有し、互助の精神を醸成します。

5. 政策提言の発信
税制を含むさまざまな政策について効果的な提言を行い、業界への影響を及ぼします。

発起人の思い

会計事務所連携協議会は、以下の17社によって設立されました。初代理事長は、長年にわたり業界をリードしている辻・本郷グループの本郷孔洋氏が務めます。彼は、「業界が一丸となって新しい未来を創造するための基盤を築けたことを誇りに思っています。協議会を通じて、中小企業や地域社会を支える強固なネットワークを形成していくことが、今後の目標です」と語っています。

結論

一般社団法人「会計事務所連携協議会」は、連携を通じて業界の発展を目指すと同時に、社会的な役割に対する責任も果たそうとしています。これからの取り組みを通じて、多様な課題に対する協調的な解決策が見出されることが期待されています。

会計事務所業界の未来は、今後の連携によっていかに変わっていくのか、目が離せない状況です。