株式会社トコシエ、製造の未来を変える
東京都杉並区に本社を置く株式会社トコシエが、革新的な製造プラットフォームを開発している。このスタートアップは、設計から製造までのプロセスをAIによって自動化し、誰もが簡単にものづくりを楽しめる未来の実現を目指している。
Techstars Tokyoへの採択
トコシエは、注目のスタートアップアクセラレーター「Techstars Tokyo」に選出された。このプログラムは内閣府や東京都、経済産業省、三井不動産などの協力により実施されており、世界79カ国から数千社の中から厳選された12社が参加する。トコシエの参加により、さらに注目が集まることは間違いない。
3D製造の新時代
トコシエが開発した「モデリング・プロフェッショナルAI」は、自然言語で希望する部品の形状を入力するだけで、AIが3D CADを操作して自動的に3Dモデルを作成し、クラウド上で3Dプリンターに指示を出して造形を行うという画期的なシステムを実現している。これにより、設計に関する専門知識がなくても、誰でも簡単に試作品を手に入れることができる。
自動化された製造プロセス
設計から試作までのプロセスは長年熟練エンジニアの手に依存していたが、トコシエのプラットフォームはそれを根本的に変える。例えば、スライス処理や材料選定などもAIによって自動的に最適化されるため、最短即日で試作品が手元に届くことも可能だ。これにより、より多くの人々がアイデアを形にする機会を手に入れることができる。
Techstarsによる支援内容
「Techstars Tokyo」プログラムは、トコシエに対して様々な支援を提供する。具体的には、12万米ドルの資金支援、事業および技術のグローバルメンターによるアドバイス、さらには海外での展示や技術連携の機会提供などが含まれている。また、ベンチャーキャピタルとの接続や資金調達に向けた支援も期待できる。
2026年にはアメリカでベータ版の提供を開始し、将来的には分散製造ネットワークとSaaSを統合した「製造版OS」の構築を目指している。
Techstars Tokyoプログラムの概要
- - 期間: 2025年8月18日(月)から約3か月間
- - 出資額: 1社あたり最大120,000米ドル
- - 場所: 東京ミッドタウン八重洲「イノベーションフィールド八重洲」
- - 内容: Techstarsのネットワークを活用したビジネスモデルの改善、ピッチトレーニング
- - デモデイ: 11月11日(火)に約300名の投資家を招待して実施予定
Techstarsの歴史と実績
Techstarsは2006年に設立され、現在は33都市で活動を展開。過去に4400以上の企業に資金を提供し、その中から20のユニコーン企業を輩出している。2023年6月のデータによれば、同プログラムに参加したスタートアップの74%が3年以内に資金調達を成功させ、31%がエグジットを果たしている。
まとめ
AIによる自動化と3Dプリンタの進化が交差する将来、トコシエの取り組みは新たな可能性を切り拓く一助となる。誰でも設計できる未来を実現すべく、彼らの挑戦が今始まった。トコシエの動向にぜひ注目してほしい。