新富裕層の消費行動とアクティブ・ラグジュアリー層の実態を探る調査

新富裕層の消費行動とアクティブ・ラグジュアリー層の実態

はじめに

新富裕層のライフスタイルは、年々変化しており、その背景にある消費行動のトレンドも注目されています。特に年収2,000万円以上の層がアクティブ・ラグジュアリー層として台頭しており、彼らは体験や関係性に投資する傾向が強く見られます。これに関する調査結果をもとに、彼らの消費意識と行動特性に迫ります。

新富裕層とは？

新富裕層とは、年収で言うと2,000万円から5,000万円の範囲に位置する人々を指します。この層に属する人々は、ただの物質的な豊かさではなく、質の高い体験や人とのつながりを重視する傾向が強まっています。調査によると、特に年収2,500万円から3,000万円未満に該当するアクティブ・ラグジュアリー層は、消費の中でも体験への支出が目立つことが明らかになりました。

調査内容と結果

調査は、ラグジュアリーカードの会員を対象に実施され、262名から有効な回答を得ています。年収帯ごとの消費行動の違いが浮き彫りになりました。

- 年収2,000万円から2,500万円未満

この層は、十分な経済的余裕を感じる一方で、節約志向も強く見られます。消費行動を控える傾向が見られる中、特に節税を意識している人が多いことが特徴です。

- 年収2,500万円から3,000万円未満（アクティブ・ラグジュアリー層）

この層は、旅行や食事、コミュニティ参加に積極的で、特に旅行については95%が行っているとの結果が出ました。年間で11回以上旅行を行う人の割合も高く、旅行1回あたりの予算も他の層に比べて高い傾向にあります。

- 年収3,000万円以上

この層は、体験と同様にハイブランドや宝飾品など物への消費も活発です。この年収帯に入ると、自己実現や成長への投資という視点が増え、消費スタイルが大きく変化します。

アクティブ・ラグジュアリー層の特性

アクティブ・ラグジュアリー層は、消費行動において「体験」を重視し、約半数が交際関係の広がりに投資したいと考えています。ブランド品にはあまり興味を示さない一方で、友人や知人との関係を深めるためにお金を使う傾向があります。このような消費行動は、より高い満足感を求める心理の現れと言えるでしょう。

物価高への柔軟な対応

特に注目すべきは、物価高への反応です。アクティブ・ラグジュアリー層は、物価高の影響を受けて消費行動を控えるどころか、むしろこの状況をチャンスと捉えた積極的で前向きな姿勢が見受けられました。彼らは、新たなビジネス機会を生かし、さらなる成長を図ろうとしています。

結論

この調査結果から、ラグジュアリーカード会員の年収2,500万円から3,000万円未満の層は、物を買うこと以上に自分自身の内面的な充実や関係性を重視する新たな富裕層としての価値観を持つことが明らかになりました。今後もこのような傾向が続くと考えられ、その変化に対応したサービスの提供が求められます。

もはや新富裕層の消費は、単なる物質的な豊かさではない。体験と関係性を追求することが、“アクティブ・ラグジュアリー層”の新しいライフスタイルを形作るのです。