2025年副業・兼業実態調査の振り返り
近年、働き方の多様化が進み、副業や兼業に対する関心が高まっています。パーソルキャリア株式会社の調査機関『Job総研』は、357人の社会人男女を対象に「2025年 副業・兼業の実態調査」を実施しました。この調査では副業経験の有無やそれに伴う収入の実態、将来の副業意向などが明らかにされました。以下にその結果を詳しくご紹介します。
副業経験とその収入
調査によれば、約39.2%の人々が副業経験を持っていることがわかりました。その中でも「現在副業をしている」と回答したのは21.6%、また「過去に副業をしていた」と答えた人は17.6%に上ります。さらに、今後の副業意欲に関する質問では、66.7%が「始めたい・続けたい」と考えていることが明らかになりました。
年収別に見ると、副業経験者の中で「701万〜1000万円以下」が最も多く40.9%を占めています。この背景には高所得者が副業を通じてスキルを活用し、収入を増やす傾向があると考えられます。一方で、今後の副業を希望する層で最も多かったのは「501万〜700万円以下」で、82.9%が新たな副業に関心を示しました。
副業での収入実績と理想
副業経験者140人に実際の副業で得られた収入を尋ねたところ、平均で月5.4万円、中央値は3.0万円という結果が出ています。これに対し、副業で得たいとする理想の平均収入は10.8万円ということで、実際の収入と理想とのギャップが存在します。このギャップは、より高い収入を得たいと思う多くの人々の心情を反映しています。
副業に対する不安と懸念
副業を希望する多くの人が直面するのは「収入に見合わない労力になる」という不安です。さらに、34.5%がプライベートが犠牲になることを心配し、31.7%は本業が疎かになるのではないかという懸念を持っています。このような懸念は副業を 위한ハードルとなり、実行をためらわせる要因となっています。
地方副業への関心
興味深いことに、78.1%の回答者が自身のスキルを地元に役立てたいと考えており、76.5%が地方での副業に関心を持っていると答えました。理由としては「空いた時間を有効活用したい」や「地方創生に貢献したい」といった前向きな動機が多く寄せられました。一方で、地方副業に興味がない理由では「地方副業を知らなかった」が最多となり、情報格差や実務的な障壁が浮き彫りになっています。
調査のまとめと展望
今回の調査結果から、副業は単なる収入の補填にとどまらず、スキルを活用し、キャリア形成の手段として認識されていることが分かります。今後も副業に対する意欲は高まり、特に中〜高所得層においてその傾向が顕著です。
副業を継続するためには、得たい収入と本業、私生活のバランスを取る必要があり、企業や自治体の協力が重要です。これにより、より多くの人々が副業に取り組める環境が整うことが期待されます。今後も『Job総研』はこのテーマについてさらに深堀りし、社会人の新しい働き方を提案していく予定です。