メドリングが介護人材循環プラットフォーム構築を発表
メドリング株式会社(本社:東京都渋谷区)は、国の支援を受けて新たな介護人材循環DXプラットフォーム構築に向けた調査事業を開始することを発表しました。このプロジェクトは、2025年8月1日を予定に、インドネシアおよびベトナムから外国人介護人材が日本での働きに戻れるようサポートすることを狙いとしています。経済産業省の補助金を利用し、多くの外国人介護人材に新たな再就職の機会を提供することを目指します。
日本の介護人材不足とその背景
近年、日本の介護業界は深刻な人材不足に悩まされており、2040年には約70万人が不足すると予測されています。この問題に対処するため、日本政府は外国人介護人材の受け入れを進めており、現在約7.4万人の外国人介護人材が日本で働いています。さらに、2030年末までに新たに135,000人が加わる計画です。しかし、多くの外国人介護人材が特定技能の枠で入国しており、就労期限が5年間と短いため、多くは帰国を余儀なくされる可能性があります。
介護福祉士試験の課題
外国人介護人材が介護福祉士試験に合格できなければ、原則として帰国せざるを得ないため、この試験の難易度や受験回数の制約が大きな障害となっています。試験の合格率は約33%で、特にコロナ禍で入国した人材が2027年以降に集中して帰国する懸念があります。これにより日本の介護現場はさらなる人材不足に直面することになります。
ASEAN地域における高齢化の進展
一方、ASEAN地域は若年人口が多いものの、高齢化が進んでおり、インドネシアでは約3,000万人、ベトナムでは約1,400万人が60歳以上とされています。これに伴い、介護関連が社会問題化しつつあり、平行して介護施設の建設が進む中、日本での介護経験がある人材への需要が非常に旺盛です。
メドリングの取り組みの目的
このような状況を踏まえ、メドリングは「帰国介護人材」が新たに母国で働き、さらには再度日本で介護人材として活躍できる環境を整えることを目指しています。まずは、外国人介護人材に対する調査を実施し、データベースの構築を行っていきます。このプラットフォームは、帰国介護人材の状況をリアルタイムで把握し、情報を提供することで、彼らの再就労の機会を広げることが目的です。
リスキリングプログラムの提供
また、介護福祉士試験対策のリスキリングプログラムも検討中で、東京大学の専門家のサポートのもと、介護人材が日本で再度活躍するための支援を強化していく方針です。このプログラムに参加することで、帰国介護人材は日本でのキャリアを再構築するための手助けを受けることができます。
今後の展望
この調査は2026年8月末までに完了予定で、事業が本格化することで帰国介護人材を安定的に日本に再雇用するための基盤を築くことが期待されています。メドリングは、帰国介護人材の活躍を通じて日本の介護業界を支援しつつ、ASEAN地域における医療・介護ビジネスの発展にも寄与していく考えです。今後の進展から目が離せません。
会社概要
メドリング株式会社は、東京都渋谷区に本社を置く企業で、設立は2019年です。介護DXサービスの提供を通じて、日本およびASEANにおける介護の未来を切り開く方向で活動しています。