AWLと楽天モバイルが神戸で実施するAI監視システムの実証実験
はじめに
AWL株式会社、楽天モバイル株式会社、そしてヴィッセル神戸が、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業」における実証団体に選ばれました。このプロジェクトでは、2025年6月より神戸市で、エッジAIを利用した大規模施設の監視システムに関する実験が行われます。これは警備業界の人手不足とコスト高騰を解決するための重要なステップです。
背景
現在、警備業界は人材不足という深刻な問題に直面しており、AIやDX化によって省力化、さらには無人化が急務とされています。しかし、監視カメラが生成する膨大な映像データを処理するためには、高性能な通信インフラが必要です。これが、通信コストの増加や高額な設備投資の問題を引き起こしています。本実証は、そのような課題を解決するための実験です。
実証の内容
本実証では主に以下のポイントに焦点を当てます。
1. 通信量削減の検証
スタジアム内に設置したファーエッジとエッジサーバーを用いて、監視カメラからの映像データがどのように処理されるかを検証します。具体的には、画像認識AIを用いることで、映像から得られるリスクレベルをリアルタイムで判断し、通信負荷を削減する方法を探ります。この際、映像データをテキスト、画像、動画クリップに圧縮することも試みます。
2. AIの汎用性・拡張性の検証
人物認識や異常検知を目的としたAI技術の性能向上にも取り組みます。特に、転倒や暴力行為を検出するための顔認識技術など、警備に必要なシナリオを想定し、さまざまな環境下での有効性を検証します。
3. システム可搬性の検証
最後に、環境依存性の少ない警備システムの構築を目指します。可搬型カメラを駆使し、さまざまな場所での異常検出能力を向上させることで、イベント会場や交通機関、小売店など、幅広いシチュエーションに対応できる警備ソリューションの実現を目指します。
実施期間と展望
この実証実験は、2025年6月から2026年1月までの予定で行われます。AWL、楽天モバイル、ヴィッセル神戸は、地域の安全・安心を促進するため、さまざまなテクノロジーを駆使して社会課題の解決に取り組んでいきます
今後の進展に期待が寄せられるこのプロジェクトは、AIと通信技術の融合を通して、新たな価値を創出することが期待されています。地域社会の安心・安全を実現するために、AI技術がどのように活用されるのか、その行方に注目が集まります。
おわりに
このような取り組みは、神戸市だけに留まらず、日本全体の警備業界に新たな潮流をもたらす可能性を秘めています。社会が求める安全対策を、先進的な技術で実現していく過程を、今後も注視していく必要があります。