水道業界の変革をもたらす「宇宙水道局」
株式会社天地人が展開する水道DXソリューション「宇宙水道局」が、契約自治体数を50に達成しました。これは、持続可能な水道事業の実現に向けた大きな一歩です。東京の中央区に拠点を置く天地人は、衛星データとAIを駆使して、現代の水道事業が直面する課題に立ち向かっています。
契約自治体数は2025年4月に30を超え、その後わずか2か月で40、さらに9月には50自治体と契約を結びました。この急速な成長は、多くの自治体や水道事業体からの信頼と評価を得ている証拠です。
地下に隠されたリスクへの挑戦
日本の上下水道は地下に埋設されており、表から状態を把握することが難しいのが現状です。見えないところで進行する劣化や損傷は、漏水や道路陥没などの問題を引き起こし、私たちの生活や都市機能に重大な影響を及ぼします。実際、日本では年間約2万件以上の漏水事故が発生しており、多くが老朽管の経年劣化によるものです。特に1960年代に設置された水道管は、現在も現役で使用され続け、全国で約17.6万キロメートルに及ぶと言われています。
管路の更新費用は1キロメートルあたり約2億円とされ、財政的な制約や技術者不足も重なり、多くの自治体が危機的な状況に直面しています。このような背景の中、「宇宙水道局」は、リスクを把握するための新たなアプローチを提案しているのです。
リスク診断の革新
「宇宙水道局」では、2つの観点から管路のリスクを評価しています。まずは「漏水リスクを検知する」という視点。衛星データを用い、高解像度で現在および近未来の漏水リスクを把握できるため、漏水可能性が高いエリアを効率的に特定できます。
次に「重要度を評価する」というアプローチです。住居や重要な施設(病院、学校など)へどのような影響を及ぼすかを考慮し、複数の「更新優先シナリオ」を作成します。具体的には、平時の漏水リスクを重視するシナリオや災害時の影響を重視するシナリオなど、地域のニーズに応じた柔軟な設定が可能です。
現場のニーズに応える機能改善
自治体職員からのフィードバックを受け、天地人は「宇宙水道局」の機能改善にも注力しています。2025年8月には、漏水調査結果をスマートフォンから最短5秒で登録できる機能を追加。管路の属性情報を自動入力できることで、紙面図面の確認作業を省略し、現場業務の効率と精度が大幅に向上しました。
ブランドの再構築と新たなビジョン
「宇宙水道局」は、契約数50を記念し、サービス名称とロゴマークを新たに刷新しました。この改革は、公的機関から民間企業までの多様なニーズに応えるための一環であり、「水を届ける、あたりまえを保つ」というビジョンに基づいています。新しいロゴマークは、ボロノイ図をベースにしたデザインで、その特性が水道事業の未来を象徴しています。
未来に向けた取り組み
天地人が目指すのは、過去のデータと最新技術を組み合わせ、新たな水道事業の仕組みを構築することです。漏水リスク情報の視点を取り入れることで、これまでの方法論を進化させることが期待されています。限られたリソースを最大限に生かし、持続可能な水道事業の実現に向けて、今後も貢献し続けることを誓います。
会社概要
- - 会社名:株式会社天地人
- - 所在地:東京都中央区日本橋1丁目4−1 日本橋一丁目三井ビルディング5階
- - 代表者:櫻庭康人
- - 事業内容:衛星データを活用した土地評価コンサル
- - 特設サイト:宇宙水道局
- - 公式サイト:天地人公式
- - X:十天チジン
- - LinkedIn:天地人
お問い合わせ
漏水事業担当:白坂、上村、伊藤、河瀬
お問合せ窓口:
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