JAFが進めるリスクアセスメントの新たなステップ
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)では、全国におよぶ2000万人以上の会員を要し、主に道路交通の安全と円滑な運営を支える活動を行っています。近年、自動車業界は急激な変化に直面しており、JAFも持続的な成長を求めて全社的リスクマネジメント(ERM)の取り組みを強化しています。
ERMの重要性とその背景
新入会員の獲得や社会課題の解決に向けたモータースポーツの振興など、実績を上げるJAFですが、環境変化への対応力はさらなる成長に欠かせません。2016年から2020年にかけては、組織全体にERMを構築し、地域組織へもその理念を広げる努力を重ねてきました。これにより、リスク管理が現場で機能する基盤が整いました。
しかし、あらゆるビジネスには潜在的なリスクが存在します。特に、事業戦略の策定に際しては、意思決定の「抜け」や「漏れ」を防ぐ必要があります。そこでJAFは、ER自体を進化させるための新たな試みに着手しました。
戦略リスクアセスメントの実施
JAFが行ったのは、戦略リスクアセスメントの導入です。このプロジェクトにおいて、JAFは事業戦略の意思決定プロセスにおけるリスクの再定義を行いました。2022年には、本部のマネージャー職を対象に研修を実施し、自社の基本理念や指針を明確化。その後、社外環境の変化を予測し、「機会」と「リスク」を洗い出す作業を進めました。
2023年には経営陣からの意見をヒアリングし、人口減少による人的資本戦略の強化が必要であるとの結論に至りました。また、長期的な事業計画策定にも取り組み、組織全体の行動に一貫性を持たせる仕組みが整いました。
PDCAサイクルの導入による持続可能な文化の形成
今後、JAFではPDCAサイクルを活用し、リスク管理の文化を持続可能なものとするための活動が求められます。戦略的な意思決定の中で、継続的にフィードバックを受けて改善を重ねることが重要です。これにより、柔軟性と効率を兼ね備えた組織文化が醸成され、さらなる競争力の強化を図ります。
ERM構築・運用アドバイザリサービスとは
ニュートン・コンサルティングが提供する「ERM構築・運用アドバイザリサービス」では、全社的なリスク管理体制の構築や運用支援を行い、具体的にはリスクアセスメントや運用体制の設計支援などが挙げられます。これは、JAFのニーズに合わせた戦略的なソリューションとなっており、実効性のあるリスクマネジメントを実現します。
まとめ
JAFによる戦略リスクアセスメントの導入は、業界の変化に迅速に対応するための努力を示しています。これにより、組織の持続的な成長が期待されるだけでなく、他の業界にとってもリスクマネジメントの重要性を再認識させるきっかけとなるでしょう。今後の展開にも注目が集まります。