地域再生のモデル「ホシノマチ団地」
長野県佐久市臼田地区にある「ホシノマチ団地」が、国土交通省主催の「第3回 地域価値を共創する不動産業アワード」で、優秀賞(団地活性化)を受賞しました。このアワードは、不動産業界が地域の課題解決に貢献する取り組みを評価するために創設されたもの。受賞理由には、移住希望者のニーズに応えたユニークなサポート体制が強調されています。
移住者専用住宅での取り組み
「ホシノマチ団地」では、遊休の市営団地をリノベーションし、移住者向けの住まいとして再利用しています。特に、地域住民や企業との協業により、カーシェアリングの導入やコワーキングスペースの整備を進め、移住者が生活しやすい環境を整えています。この結果、5年以上新規入居者がいなかった市営住宅が、自治体の補助金に頼らずに満室となりました。
移住者数と定住率の向上
移住者数は約77人に達し、そのうち69人が佐久市に定住したという高い定住率を示しています(定住率89.4%)。移住者支援の一環として、入居者同士のSNSでのコミュニケーションを促進し、入居後の不安を軽減することにも力を入れています。
「社長」を育てるコミュニティ
「ホシノマチ団地」は、「自分の強みを活かして、好きなことを仕事にする」ことを“社長”と定義しており、誰もが自分自身のスタイルで関与できるコミュニティを目指しています。ここではボランティア活動からアドバイザー、パートタイムでの参加まで、さまざまな形で住民が地域に貢献できる機会が提供されています。この取り組みにより、多様な人々が集まり、地域経済が活性化されています。
今後の展望
田井洋平代表取締役は、受賞の背景には「移住者の主体的な活動を促した結果」として、地域内の連携が生まれる好循環が爾しい評価を受けたと語っています。今後もこの取り組みを推進し、他地域との連携を深めながら、地方創生のモデルケースとしての展開を図る意向を示しています。地域住民との結びつきやサポート体制を強化し、「地方に移住したいが不安がある」という人々に手を差し伸べ続けることが、この団地の使命です。
「ホシノマチ団地」は、単なる住宅提供にとどまらず、人が集い、共に成長する場を目指しています。佐久市の新たな未来を築くために、今後も多くの移住者の受け入れや地域活動の場としての役割を果たしていくことでしょう。