2025年春闘で見る職種別賃金の動向
2025年4月の春闘では、賃金の増加率が特に注目されました。企業の賃上げ意欲が高まる中、各職種の給与動向はどのように変化しているのでしょうか。本記事では株式会社フロッグが集計した「2025年4月度 職種別 賃金伸び率ランキング」のデータをもとに、アルバイト・パート、派遣、正社員の各雇用形態に分けて詳しく解説します。
賃金動向の概要
春闘期間中、連合が発表したにより、平均賃上げ額は17,015円、賃上げ率は5.37%となり、昨年を上回る高水準を記録しました。この傾向が各職種の賃金にどのように影響しているか、調査をもとに見ていきましょう。
雇用形態別賃金増加率の現状
雇用形態別に見てみると、アルバイト・パートは-1.89%から+5.01%、派遣が-0.81%から+2.08%、正社員が-0.28%から+1.36%の範囲で変動しています。この結果を受け、特筆すべき職種別の賃金増加率ランキングが公開されました。
アルバイト・パートの賃金増加トップ3
1位は「建設/土木/エネルギー」で、前月比で+5.01%の増加が見られます。増加額は68円で、建設業界の需要が高まっていることが伺えます。2位は「ホテル/旅館/ブライダル」、増加額23円(+1.93%)が続き、3位には「アミューズメント」(増加額16円、増加率1.29%)がランクインしました。一方、最も減少した職種である「教育/語学/スポーツ」は前月比で-1.89%の減少があり、特に受験シーズンに影響を受けているようです。
派遣の賃金増加トップ3
派遣部門では「医療/医薬/福祉」が+2.08%の増加を見せ、順位が1位に。次いで「販売/接客/サービス」が0.62%、そして「営業/事務/企画/管理」が0.45%と続きます。対照的に「建設/土木/エネルギー」は-0.81%の減少となり、こちらも特定の要因に影響された結果と言えるでしょう。
正社員部門の賃金増加トップ3
正社員では「クリエイティブ(Web系)」が+1.36%で1位、増加額は4,136円という大きな金額を示しています。2位は「専門職」となり、増加額2,247円(+0.76%)、3位には「ホテル/旅館/ブライダル」が1,862円(+0.71%)の増加を記録しました。
一方で、「クリエイティブ(Web以外)」は-0.28%で減少があり、こちらは特定企業の求人終了などが影響していると考えられます。
賃金の推移について
職種別の賃金推移を見てみると、「建設/土木/エネルギー」は2024年末に多くの求人が集中したことで平均賃金が高騰し、2025年1月には急激に減少する動きを見せています。また「医療/医薬/福祉」は昨年の秋に高時給招聘の影響を受けた動きがあり、その後上昇傾向をたどっています。一方で「教育/語学/スポーツ」は特定の教育系企業の求人減少によって時給が横ばい傾向になっています。
まとめ
株式会社フロッグが発表したデータからは、職種ごとの賃金動向が明確に見えます。特に供給需要が高い分野では賃金が上昇する傾向があり、経済状況や季節ごとの求人動向が強く影響していることが理解できます。今後の賃金動向についても注視が必要です。