千葉県鴨川市、全国初の給水人口予測「±Move」を導入
千葉県鴨川市は、Fracta Japan株式会社が提供する将来給水人口予測サービス「±Move」を全国で初めて導入しました。このサービスは、管路データと国土交通省が公表した将来推計人口マップを使い、2050年までの給水人口を予測・可視化するものとなっています。今後、同市ではAI管路劣化診断「AIEyes」の結果と組み合わせることで、管路更新の判断を長期的な視点で行うための貴重なデータを提供します。
「±Move」の特長
「±Move」は、国内の水道事業者にとって非常に重要なサービスとなります。具体的には、2つの主要なデータソースを統合し、地図上で給水人口の動向を把握できるようにしています。
1.
管路データ: 鴨川市が管理する約510㎞の水道管路の現在の状況を表すデータ。
2.
将来推計人口マップ: 国土交通省が発表している将来推計に基づく人口データ。
これにより、各地域の将来的な給水人口動態を読み解くことが可能となり、特に断水時における影響の度合いを事前に想定することができます。
AI管路劣化診断との統合
さらに、今年度実施されるAI管路劣化診断「AIEyes」は、同社の技術を活用して水道管路の劣化状態を診断するものです。この2つのサービスを連携させることで、鴨川市の水道課は管路の更新優先度を、より正確かつ適切に判断できるようになると期待されています。
持続可能な水道システムの実現に向けて
Fracta Japanの代表取締役的場雄介氏は、「人口が減少している地区において、適切な管路更新の必要性を評価するうえで、±Moveが役立つと考えている」と述べています。特に、旧簡水統合や地方の合併で給水エリアが広がった地域においては、このニーズが高まっているとのこと。さらに、国が進めているアセットマネジメントの強化にも貢献していく意向を示しています。
まとめ
このように、千葉県鴨川市が導入した「±Move」は、今後の水道サービスの質を向上させるだけでなく、人口減少に対応した持続可能な水道システムの確立に向けた重要な一歩となります。水道事業者にとって、最適な資源管理と計画を行うためのツールが、次世代の水道システムを支える力となることでしょう。