デフフレンドリーな社会の実現に向けて
2025年に東京で開催される「デフリンピック」という特別なイベントを背景に、株式会社タミヤホームは聴覚障がい者への配慮を重視した取り組みを進めています。今回、耳の聞こえない漫画家であるうささ氏とコラボレーションし、工事現場での危険を視覚的に伝える新しい現場シートを制作しました。このシートは、聴覚障がい者にとって安全な情報を提供することを目指しています。
企画の背景と課題
「デフリンピック2025東京」を契機に、私たちは「音のない世界」での暮らしについて考えさせられました。解体工事の現場は、重機の動作音や工具の音であふれていますが、聴覚障がい者にはこの音が伝わりません。そのため、工事現場の危険を感知できないことが明らかになりました。また、現場を覆うシートは工事の種類を示すものがほとんどなく、視覚から得られる情報が欠如しています。
このような状況において、視覚的なアプローチを通じた情報提供が必要です。タミヤホームは、誰もが安心して生活できる社会を目指すための新たな方策を模索していました。
うささ氏とのコラボレーション
うささ氏は、音のない世界を生きる漫画家であり、聴者とデフの違いをユニークな視点で表現しています。彼女の作品は、多くの人々から共感を呼び、聴覚障がい者の視点を知るための貴重な機会を提供してきました。私たちは、彼女に解体工事の危険性を描写してもらうことで、聴覚障がい者だけでなく、聴者にも理解しやすいメッセージを届けたいと考えました。
制作された現場シートでは、うささ氏が解体工事現場の様子を生き生きと描き、中央には彼女の漫画に登場する可愛らしいウサギのキャラクターを配置しました。このデザインは、お子様にも親しみやすくなっており、工事現場のイメージを和らげる役割を果たしています。さらに、「危険防止のため、はなれてお通りください」というメッセージが添えられ、通行人に対して具体的な行動を促しています。
うささ氏の思い
うささ氏は、今回の企画に対して非常に感慨深い気持ちを表しています。「聴覚障がい者が音を理解できない現場での状況を考えると、タミヤホームの取り組みは実に重要だと思いました。視覚情報を増やすことで、周囲の安全性が高まり、障害の有無に関係なく誰もが安心して暮らせる社会に近づけると考えています」と述べています。
今後の展望
この現場シートは、今週から一都三県の現場に順次設置され、地域における安全意識を高める役割を果たします。さらに、うささ氏に関するインタビューも計画しており、聴覚障がい者と聴者の違いについての理解を深めていくことが狙いです。
解体工事は、新たな未来の始まりとして大切な意味を持つ作業。タミヤホームは、この取り組みを通じて、地域社会の発展に寄与することを誓っています。うささ氏のキャラクターが、工事現場へのポジティブなイメージを広めることを期待しながら、今後もさまざまな取り組みを行ってまいります。